海面水温・海流(東北周辺海域)
平成27年1月30日発表
仙台管区気象台
診断(2015年1月下旬)
- 本州東方の海面水温は、平年より低い状態が続いています。日本海の海面水温は、平年より低い海域が縮小し、平年より高い海域が拡大しました。
- 親潮の南限位置は、北緯39度、東経146度付近にあります。親潮の面積は、平年より大きくなりました。
- 対馬暖流は、北緯39.5度、東経139度付近からは北に流れて津軽沖に達しています。
東北周辺海域の海面水温平年差分布図(1月29日)
解説
海面水温
本州東方の海面水温は、平年より低い状態が続いています。特に、三陸沖から福島県沖にかけて、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられます。金華山沖から福島県沖では、下層の冷水が南下した影響で海面水温が平年より3℃以上低い海域が拡大しました。
日本海では、海面水温が平年より低い海域が縮小し、平年より高い海域が拡大しました。これは、冬型の気圧配置が長続きせず、平年より風が弱かったためと考えられます。
海面水温の今後の見通し
向こう1か月、本州東方の海面水温は平年より低く、金華山沖から福島県沖では平年よりかなり低い海域がみられるでしょう。日本海の海面水温は、平年並か平年より高いでしょう。
海流の実況と見通し
2015年1月下旬の東北周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。
表:東北周辺海域の海流の実況と見通し 海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注) 親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※1) 北緯39度、東経146度付近 北緯41度、東経143度付近 親潮の沖合の分枝の南限位置(※1) なし 北緯39.5度、東経148度付近 その他の親潮系冷水の位置 北緯37度、東経142.5度、および北緯38度、東経143度 − 親潮の面積(※2) 平年より大きい 平年並 津軽暖流の東端の経度(※3) 東経143度付近(平年並) − 日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※4) 北緯36度付近(平年より南) − 日本の東のその他の顕著な現象 特にみられない − 日本海の海流 対馬暖流は、北緯39.5度、東経139度付近からは北に流れて津軽沖に達している − (注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。
(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。