海面水温・海流(東北周辺海域)

平成26年12月26日発表
仙台管区気象台

診断(2014年12月下旬)

  • 本州東方と日本海では、海面水温が平年より低い海域が拡大しました。特に、三陸沖では海面水温が平年よりかなり低い海域がみられます。
  • 親潮の南限位置は、東経148度以東に後退しており、北緯41度、東経149.5度付近にあります。親潮の面積は、平年並です。
  • 対馬暖流は、北緯39度、東経139.5度付近からは北に流れて津軽沖に達しています。

東北周辺海域の海面水温平年差分布図(12月25日)
東北周辺海域の海面水温平年差分布図(12月25日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。 また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。東北周辺海域のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

海面水温

本州東方の海面水温は、平年より強い寒気の影響を受け、平年より低い海域が拡大しました。特に三陸沖では、寒気の影響に加え、下層の冷水の影響により、海面水温が平年よりかなり低い海域が12月中旬に引き続きみられます。

日本海の海面水温は、平年より強い寒気の影響を受け、平年より2℃以上低い海域が拡大しました。

海面水温の今後の見通し

向こう1か月、本州東方の海面水温は平年より低く、金華山沖はかなり低くなるでしょう。

日本海の海面水温は、平年より低い見込みです。

海流の実況と見通し

2014年12月下旬の東北周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:東北周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※1 北緯41度、東経149.5度付近 北緯41度、東経143.5度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※1 なし 北緯40度、東経147.5度付近
その他の親潮系冷水の位置 釧路沿岸、北緯41.5度、東経144〜146.5度付近および北緯40度、東経146.5度付近
親潮の面積(※2 平年並 平年並
津軽暖流の東端の経度(※3 東経144度付近(平年より東)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※4 北緯38.5度付近(平年より北)
日本の東のその他の顕著な現象 特にみられない
日本海の海流 対馬暖流は、北緯39.5度、東経139.5度付近から北に流れて津軽沖に達している

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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