海面水温・海流(東北周辺海域)
平成26年5月30日発表
仙台管区気象台
診断(2014年5月下旬)
- 釧路沖から福島県沖では、海面水温が平年より低い海域が拡大しています。日本海の海面水温は、平年より低い状態が継続しています。
- 親潮の南限位置は、沿岸寄りの分枝が北緯37.5度、東経142.5度付近と、沖合の分枝が北緯40度、東経148度付近にあります。親潮の面積は平年よりかなり大きい状態が続いています。
- 対馬暖流は、男鹿半島の西で東経139度付近を北向きに流れ、秋田沖の暖水域に沿って北緯40.5度付近を東に向かう流れと合流して、津軽沖に達しています。
東北周辺海域の海面水温平年差分布図(5月29日)
解説
海面水温
釧路沖から福島県沖では、海面水温が平年より2℃以上低い海域が拡大しています。特に金華山沖から福島県沖にかけて、平年よりかなり低い海域がみられます。これは、親潮の影響が続いているためと考えられます。
日本海の海面水温は、平年より低い状態が継続しています。
海面水温の今後の見通し
向こう1か月、本州東方の海面水温は平年より低い見込みです。三陸沖、金華山沖、常磐沖では平年よりかなり低い海域がみられるでしょう。
日本海の海面水温は、平年並か平年より低いでしょう。
海流の実況と見通し
2014年5月下旬の東北周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。
表:東北周辺海域の海流の実況と見通し 海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注) 親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※1) 北緯37.5度、東経142.5度付近 北緯37度、東経142.5度付近 親潮の沖合の分枝の南限位置(※1) 北緯40度、東経148度付近 北緯40度、東経146.5度付近 その他の親潮系冷水の位置 特にみられない − 親潮の面積(※2) 平年よりかなり大きい 平年よりかなり大きい 津軽暖流の東端の経度(※3) 東経142度付近(平年より西) − 日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※4) 北緯37度付近(平年並) − 日本の東のその他の顕著な現象 特にみられない − 日本海の海流 対馬暖流は、男鹿半島の西では東経139度付近を北向きに流れ、秋田沖の暖水域に沿って北緯40.5度付近を東に向かう流れと合流して、津軽沖に達している − (注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。
(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。