海面水温・海流(東北周辺海域)
平成26年5月9日発表
仙台管区気象台
診断(2014年5月上旬)
- 本州東方の海面水温は、三陸沿岸で平年より低く、特に金華山沖では、平年よりかなり低い状態が続いています。日本海の海面水温は、おおむね平年並になりました。
- 親潮の南限位置は、沿岸寄りの分枝が北緯38度、東経142.5度付近と、沖合の分枝が北緯40.5度、東経147度付近にあります。親潮の面積は、平年よりかなり大きい状態が続いています。
- 対馬暖流は、秋田沖にみられる暖水域に沿って時計回りに流れ、津軽沖に達しています。男鹿半島の西では東経139度付近に北向きの流れがみられます。
東北周辺海域の海面水温平年差分布図(5月8日)
解説
海面水温
本州東方では、海面水温が平年より低い海域が縮小しましたが、三陸沿岸では海面水温が平年より低い状態が続いています。特に金華山沖では、海面水温が平年よりかなり低い状態が続いています。これは、親潮の影響と考えられます。一方、常磐沖では、海面水温が平年より高い状態が続いています。
日本海では、平年より風が強かったため、海面水温が平年ほど上昇しませんでした。このため、日本海の海面水温は、平年より高い海域が縮小し、おおむね平年並になりました。
海面水温の今後の見通し
向こう1か月、本州東方の海面水温は平年並か平年より低く、北緯38度以北では平年よりかなり低い海域がみられるでしょう。
日本海の海面水温は、平年並か平年より高いでしょう。
海流の実況と見通し
2014年5月上旬の東北周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。
表:東北周辺海域の海流の実況と見通し 海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注) 親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※1) 北緯38度、東経142.5度付近 北緯38度、東経142.5度付近 親潮の沖合の分枝の南限位置(※1) 北緯40.5度、東経147度付近 北緯40度、東経146.5度付近 その他の親潮系冷水の位置 特にみられない − 親潮の面積(※2) 平年よりかなり大きい 平年よりかなり大きい 津軽暖流の東端の経度(※3) 東経142.5度付近(平年並) − 日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※4) 北緯38度付近(平年より北) − 日本の東のその他の顕著な現象 特にみられない − 日本海の海流 対馬暖流は、秋田沖にみられる暖水域に沿って流れ、津軽沖に達している
男鹿半島の西では東経139 度付近に北向きの流れがみられる− (注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。
(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。