海面水温・海流(九州・山口県周辺海域)

平成25年6月28日発表
福岡管区気象台

診断(2013年6月下旬)

  • 山陰沖西部から九州西方にかけての海域で、6月中旬に引き続き海面水温がおおむね平年より高くなっています。また、九州の東から奄美群島近海にかけての海域で、海面水温が平年並か平年より低くなりました。
  • 黒潮は、トカラ海峡の北緯30.2度付近を東南東に流れ、都井岬で離岸して流れています。

九州・山口県周辺海域の海面水温偏差分布図(6月27日)
九州・山口県周辺海域の海面水温偏差分布図(6月27日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 偏差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。

この海面水温偏差の図は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

海面水温

山陰沖西部から九州西方にかけての海域で、6月中旬に引き続き海面水温がおおむね平年より高くなっています。特に、北緯32.5度、東経127.5度付近では、黒潮から分かれて北上した暖水の影響により海面水温が平年より2℃以上高い海域がみられます。

九州の東から奄美群島近海にかけての海域では、前線と台風第4号の影響で平年より日照時間が少なく、平年この時期は10日前と比べて1℃程度上昇する海面水温が、広い海域で0.5℃程度の上昇でした。このため、6月中旬に海面水温が平年より高かった奄美群島近海と種子島近海では海面水温がおおむね平年並になり、6月中旬に海面水温がおおむね平年並だった九州の東では海面水温が平年より低くなりました。

海面水温の今後の見通し

向こう1か月の九州・山口県周辺海域の海面水温は、東シナ海の北緯30度より北の海域で平年より高く、その他の海域で平年並か平年より高いでしょう。

海流の実況と見通し

2013年6月下旬の九州・山口県周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:九州・山口県周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯30.2度/東南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 7月下旬には接岸
九州・山口県周辺海域のその他の顕著な現象 九州西方では黒潮からの暖水が北に張り出している

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。

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