南極オゾンホールとは

 1980年代初めに、春季の南極昭和基地上空のオゾン全量がそれまでと比較して、著しく少なくなっていることが、気象庁等の観測により発見されました。これは後日オゾンホールと呼ばれるようになった現象を観測したものです。
 オゾンホールは南極上空のオゾン量が極端に少なくなる現象で、オゾン層に穴の開いたような状態であることからその名が付けられました。南半球の冬季から春季にあたる8~9月ごろに発生、急速に発達し、11~12月ごろに消滅するという季節変化をしています。
 気象庁では、上空のオゾンの総量を示す「オゾン全量」が220m atm-cm以下となる領域をオゾンホールの広がりの目安としています。これは、オゾンホールが発生するようになる以前には、オゾン全量が220m atm-cm以下となる領域が、広範囲に観測されなかったとされているためです。衛星から観測された2018年10月の月平均オゾン全量の南半球分布図(図1の右)をみると、1979年(図1の左)にはない南極点付近を中心としたオゾン全量の少ない領域(図中央の灰色部分)が広がっていることがわかります。


1979年と2018年10月の南極オゾンホールの画像
図1 1979年、2018年それぞれの10月の月平均オゾン全量の南半球分布
オゾンホールの広がりの目安として、オゾン全量が220m atm-cm以下の領域を灰色で示しています。 米国航空宇宙局(NASA)提供の衛星データをもとに気象庁が作成。


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