日本の月の天候 ------------------ 対象期間:
2017年(平成29年)2月の特徴
○月平均気温は、北・東日本で高く、西日本、沖縄・奄美で平年並だった
北・東日本では、北からの寒気の影響が弱く、月平均気温は高かった。西日本と沖縄・奄美では、気温の高い時期と低い時期があり、気温の変動が大きく、月平均気温は平年並となった。
○上旬後半から中旬前半にかけて西日本日本海側で大雪となった
上旬後半から中旬前半にかけて、西日本中心に強い寒気が南下し、西日本日本海側では大雪となった。
○月間日照時間は、西日本太平洋側でかなり多かった
東日本太平洋側と西日本では、低気圧の影響が小さく、高気圧に覆われる日が多かったため、月間日照時間が多く、西日本太平洋側ではかなり多かった。
概況
北日本では、北からの寒気の影響が弱く、月平均気温が高く、日本海側の降雪量はかなり少なかった。低気圧が北日本付近を通ることが多く、北日本日本海側では日照時間が少なかった。
一方、東日本から沖縄・奄美では、上旬後半から中旬前半にかけて冬型の気圧配置が強まり、大陸から強い寒気が流れ込んだ。太平洋側では晴れた日が多かったが、日本海側では西日本日本海側を中心に大雪となった。鳥取(鳥取県)では、11日に積雪が91cmに達し、1983/84年冬以来33年ぶりに90cmを超え、交通障害や農業施設被害が発生した。中旬後半には低気圧が日本海を北東に進んだため、南よりの風が強まって気温が上昇し、各地で春一番が吹いた。東日本以西は、気温の高い時期と低い時期があり、月平均気温は西日本と沖縄・奄美は平年並だったが、東日本では低温の程度が弱く高かった。東日本太平洋側と西日本は、高気圧に覆われる日が多かったため、月間日照時間は多く、西日本太平洋側ではかなり多かった。
平均気温:北・東日本で高かった。西日本、沖縄・奄美で平年並だった。
降水量:西日本日本海側で多かった。東日本太平洋側で少なかった。北日本、東日本日本海側、西日本太平洋側と沖縄・奄美で平年並だった。
日照時間:西日本太平洋側でかなり多く、東日本太平洋側、西日本日本海側で多かった。北日本日本海側で少なかった。北日本太平洋側、東日本日本海側と沖縄・奄美で平年並だった。
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2017年2月の地域平均気候表
※本文中の北・東・西日本の降水量・日照時間の特徴は、地域平均気候表における日本海側・太平洋側の階級に基づいて記述している。
月平均気温平年偏差、月降水量平年比、月間日照時間平年比の分布図 | 地域平均旬降水量平年比、旬間日照時間平年比の経過図 |
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天候経過
上旬
低気圧が数日の周期で通過し、通過後は冬型の気圧配置となった。北・東・西日本の日本海側と沖縄・奄美では曇りや雪または雨の日が多かった。太平洋側では曇りや雨または雪の日もあったが、晴れる日が多かった。9日は、本州の南岸を東進する低気圧の影響で、太平洋側でも雪になるところがあり、水戸で12cm、奈良で2cmの積雪となった。10日は、冬型の気圧配置が強まり、西日本中心に強い寒気が南下した。西日本日本海側では大雪となり、西日本太平洋側や九州でも積雪となるところがあった。
旬平均気温:北・東日本と沖縄・奄美は高く、西日本では平年並だった。
旬降水量:西日本日本海側でかなり多く、西日本太平洋側で多かった。一方、沖縄・奄美はかなり少なく、北日本日本海側は少なかった。北日本太平洋側と東日本は平年並だった。
旬間日照時間:北日本、東日本日本海側、沖縄・奄美で少なかった。東日本太平洋側と西日本は平年並だった。
中旬
旬の前半は強い冬型の気圧配置となり、日本海側では西日本を中心に大雪となった。鳥取では11日に積雪が91cmとなり、1983/84年冬以来33年ぶりに90cmを超えた。大雪により車の立ち往生や列車の運休など交通障害があったほか、雪の重みによる漁船の転覆が相次いだ。また佐賀で積雪が5cmになるなど、西日本太平洋側や九州でも積雪となるところがあった。旬の後半は、数日の周期で低気圧が日本付近を通過した。17日は北海道の北を、20日は日本海を、低気圧が発達しながら通過したため、各地で暴風となり、気温がかなり高くなるところもあり、各地で春一番となった。
旬平均気温:北日本でかなり高かった。東・西日本、沖縄・奄美では平年並だった。
旬降水量:北・東日本日本海側でかなり多かった。一方、東・西日本太平洋側では少なかった。北日本太平洋側、西日本日本海側、沖縄・奄美では平年並だった。
旬間日照時間:北日本日本海側でかなり少なく、北日本太平洋側で少なかった。一方、西日本日本海側、沖縄・奄美ではかなり多く、東・西日本太平洋側で多かった。東日本日本海側では平年並だった。
下旬
冬型の気圧配置は一時的で長続きしなかった。北日本は低気圧の影響を受けやすく、日本海側を中心に曇りや雪または雨の日が多かった。東・西日本は、低気圧の影響で天気の崩れた日もあったが、冷涼な高気圧に覆われ晴れる日が多かった。23日に低気圧は日本海を発達しながら通過し、全国的に雨または雪となった。各地で強風となり、関東甲信地方を中心に気温がかなり高くなった。沖縄・奄美では、前線や寒気の影響で曇りや雨の日が多かった。
旬平均気温:全国的に平年並だった。
旬降水量:北日本太平洋側で少なかった。一方、沖縄・奄美では多かった。北日本日本海側と東・西日本は平年並だった。
旬間日照時間:北・東・西日本太平洋側で多かった。一方、沖縄・奄美では少なかった。北・東・西日本日本海側は平年並だった。
極東循環場の特徴
500hPa天気図:ベーリング海付近にはブロッキング高気圧がみられ、日本付近から日本の東は気圧の谷となった(偏西風が大きく南へ蛇行した)。北日本付近には、ブロッキング高気圧に対応した暖かい空気が流れ込みやすかった。本州付近では、大気の流れは北西風が卓越して、西日本中心に強い寒気が南下した時期があった。また、南から湿った空気が入りにくく、東・西日本は太平洋側中心に多照となった。
海面気圧と外向き長波放射量平年偏差:海面気圧は、シベリア高気圧、アリューシャン低気圧ともに強かった。シベリア高気圧の南側への張り出しが強く、西日本中心に強い寒気が南下した。北日本付近は、負偏差となっており、低気圧の影響を受けやすかった。外向き長波放射量平年偏差は、インドシナ半島付近からフィリピンの東で負偏差が見られ、この付近で対流活動が活発だった。 850hPa温度:本州の南海上は負偏差、北日本以北は正偏差だった。
月平均500hPa高度・偏差分布図 | 月平均850hPa気温・偏差分布図 |
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月平均海面更正気圧・偏差分布図 | 月平均外向き長波放射量・偏差分布図 |
記録と台風
軽井沢 熊谷
なし