日本の月の天候 ------------------ 対象期間:

2016年(平成28年)2月の特徴

○北・東日本は高温、西日本と沖縄・奄美では平年並だった

 全国的に気温の変動が大きかったが、北・東日本では、中旬に南からの暖かい空気が流れ込んだため、月平均気温が高くなった。西日本と沖縄・奄美では、月平均気温は平年並だった。

○全国的に降水量が多かった

 低気圧や前線の影響を受けやすく全国的に月降水量は多く、北日本日本海側ではかなり多かった。

○日本海側の降雪量は全国的に少なかった

 冬型の気圧配置は長続きせず、日本海側の降雪量は全国的に少なかった。

概況

地域平均気温経過図

地域平均気温平年偏差の5日移動平均時系列図

 日本付近は冬型の気圧配置が長続きせず、北からの寒気の影響と南からの暖かい空気の影響を交互に受けたため、全国的に気温の変動が大きかった。北・東日本では、中旬に南からの暖かい空気が流れ込み、気温がかなり高かったため、月平均気温が高くなった。一方、西日本と沖縄・奄美では、シベリア高気圧が周期的に東シナ海付近に張り出し寒気の影響を受けたため、月平均気温は平年並となった。

 日本の南海上や日本海から北日本を短い周期で低気圧や前線が通過したため、全国的に天気は数日の周期で変化した。降水量は全国的に多く、北日本日本海側ではかなり多くなった。特に13日から14日にかけては低気圧が発達しながら日本海から千島近海へ北東進し、全国的に荒れた天気となり、北日本では大荒れとなった。また、低気圧に向かって暖かい空気が流れ込んだため、気温は全国的に平年を大幅に上回り、各地で春一番が吹いた。29日は北海道付近で低気圧が発達したため、北・東日本を中心に大雪や暴風雪となった所があった。気温が高く、日本海側の月降雪量は全国的に少なかった。

平均気温 : 北・東日本は高かった。西日本と沖縄・奄美は平年並だった。

降水量 : 全国的に多く、北日本日本海側ではかなり多かった。

日照時間 : 北日本日本海側では少なかった。東日本日本海側と西日本では多かった。北・東日本太平洋側および沖縄・奄美は平年並だった。

月TRS分布図 旬別RS経過図
月平均気温平年偏差、月降水量平年比、月間日照時間平年比の分布図 地域平均旬降水量平年比、旬間日照時間平年比の経過図

天候経過


    上旬

      旬のはじめは冬型の気圧配置で、北・東・西日本の日本海側では雪や雨の日が多かった一方、太平洋側では晴れた日が多かった。旬の中頃には日本付近を気圧の谷が通過し、太平洋側でも曇りの日があった。その後、大陸から寒気が流れ込み、西日本と沖縄・奄美を中心に低温となった。旬の終わりには大陸から高気圧が移動し、太平洋側だけでなく西日本日本海側や沖縄・奄美でも概ね晴れた。

     旬平均気温:沖縄・奄美は低く、北・東・西日本では平年並だった。

     旬降水量:東・西日本太平洋側ではかなり少なく、北日本太平洋側と西日本日本海側は少なかった。北・東日本日本海側は平年並、沖縄・奄美では多かった。

     旬間日照時間:北日本太平洋側と東・西日本および沖縄・奄美では多く、北日本日本海側は平年並だった。


    中旬

      冬型の気圧配置は長続きせず、天気は数日の周期で変化した。期間のはじめは大陸から高気圧が移動し、太平洋側だけではなく、東・西日本日本海側でも晴れた日があった。13日から14日にかけては低気圧が発達しながら日本海から千島近海へ北東進し、全国的に荒れた天気となり、特に北日本では大荒れとなった。また、低気圧に向かって暖かい空気が流れ込んだため、気温は全国的に平年を大幅に上回り、各地で春一番が吹いた。低気圧の通過後は一時的に冬型の気圧配置となり、強い寒気が流れ込んで、全国的に気温が低くなった。北・東・西日本日本海側では曇りや雪または雨、沖縄・奄美で曇りや雨、太平洋側では概ね晴れとなった。その後は大陸から本州付近へ高気圧が移動し、東日本以西では太平洋側・日本海側とも概ね晴れた一方、北日本では気圧の谷の影響で曇りや雪または雨となった。20日は低気圧が日本付近を発達しながら北東進し、全国的に天気が崩れ、東・西日本太平洋側では大雨となった所もあった。西日本太平洋側では、旬降水量が平年比297%となり、1961年の統計開始以来の最も多い値を更新した。

     旬平均気温:北・東日本はかなり高く、西日本は高かった。沖縄・奄美では平年並だった。

     旬降水量:全国的に多く、北日本日本海側と東・西日本ではかなり多かった。

     旬間日照時間:北日本と西日本日本海側は少なく、東・西日本太平洋側と沖縄・奄美は平年並、東日本日本海側は多かった。


    下旬

      日本付近では冬型の気圧配置が長続きせず、短い周期で高気圧と低気圧が交互に通過した。21日は日本付近を発達しながら北東進した低気圧が北海道の東海上に達し、北日本では暴風雪や大雪となった所があった。低気圧の通過前は南から暖かい空気が流れ込み北・東日本を中心に気温が平年を大幅に上回った一方、低気圧の通過後は西日本を中心に寒気が流れ込み、22日頃にかけて気温が低くなった。また、24日から26日も大陸からの寒気の影響で全国的に低温となり、北日本日本海側と沖縄・奄美では曇りや雨または雪となった。29日は北海道付近で低気圧が発達したため、北・東日本を中心に大雪や暴風雪となった所があった。

     旬平均気温:北日本で低く、東・西日本と沖縄・奄美では平年並だった。

     旬降水量:北日本日本海側ではかなり多く、北日本太平洋側と東日本日本海側で多かった。一方、東日本太平洋側と西日本では少なかった。沖縄・奄美では平年並だった。

     旬間日照時間:東日本太平洋側では多く、北日本、東日本日本海側、西日本、沖縄・奄美では平年並だった。

極東循環場の特徴

      500hPa高度:日本付近の偏西風は(亜熱帯ジェット、寒帯前線ジェットともに)ユーラシア大陸東岸で南に、日本の東で北へ蛇行したため、日本付近は寒気の南下が弱かった。日本の東海上で高度が高く、日本付近は西谷となって、低気圧や前線の影響を受けやすかった。シベリア上空の偏西風(寒帯前線ジェット気流)は、西シベリアで北へ蛇行し、地上付近のシベリア高気圧の発達に寄与した。

      海面気圧と外向き長波放射量平年偏差:海面気圧は、シベリアで広く正偏差となり、シベリア高気圧は中心付近で平年より強く、中国南部や東シナ海に張り出して、沖縄・奄美では低温となる時期があった。アリューシャン近海では負偏差で、アリューシャン低気圧は中心付近では平年より強かったが、日本の東海上を中心に正偏差で、北・東日本では冬型の気圧配置は弱かった。外向き長波放射量平年偏差は、東経160度以東の太平洋赤道域で負偏差がみられ、この付近で対流活動が活発だった。一方、フィリピンからインドネシア付近にかけては正偏差で、対流活動は不活発だった。 850hPa温度:日本の南東海上を中心に北・東日本付近では正偏差だった。中国南部から沖縄・奄美付近は負偏差だった。

月平均500hPa高度・偏差分布図 月平均850hPa気温・偏差分布図
月平均500hPa高度・偏差分布図 月平均850hPa気温・偏差分布図
月平均海面更正気圧・偏差分布図 月平均外向き長波放射量(OLR)偏差分布図
月平均海面更正気圧・偏差分布図 月平均外向き長波放射量・偏差分布図

記録と台風

  • 月平均気温の高い記録
  • 父島

  • 月降水量の多い記録
  • 与那国島

  • 月間日照時間の多い記録
  • 若松

  • 月間日照時間の少ない記録
  • 稚内 羽幌

  • 台風の発生(速報値、日本時間)
  • なし

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