気象庁 (JMA)
メタン参照ガス巡回比較 

目的

気象庁(JMA)は、世界気象機関(WMO)全球大気監視(GAW)計画の枠組の中でアジア・南西太平洋地区におけるメタン観測に関する全球大気監視較正センター(WCC)及び品質保証科学センター(QA/SAC)の役割を果たしています。

GAW実施計画では、品質管理における観測ネットワークの互換性と均一性の重要性を指摘しています。

参照ガスの巡回比較は、この目標に向けたWCCの最も重要な活動の一つであり、もし巡回させる各観測所の較正方法における問題点があれば解明し、最終的には測定結果が相互比較できることを保証することで、現行の較正体系がどの程度機能しているかを確かめます。 同様の活動が二酸化炭素 (CO2)について数年に一度、アメリカコロラド州ボルダーにある米国海洋大気庁地球システム調査研究所(NOAA/ESRL)によって行われ、CO2測定を行っている多くの機関が参加しています。

巡回比較は特にアジア及び南西太平洋地区でメタン(CH4)濃度を監視するGAW観測所とその他の観測所のCH4の測定結果を比較するために行われています。 この巡回比較では、CH4濃度が既知である空気が充填された2本のボンベが巡回されます。

ボンベと付属品の1例をAnnex 1に示します。

巡回の前後に、巡回するボンベ内ガスの濃度変化をチェックするため、東京の気象庁内にあるメタン標準ガス較正装置で濃度を測定します。 参加機関は巡回されてきたボンベのCH4濃度を測定し、その測定結果を東京にあるWCC事務局(気象庁)に報告します。 事務局はそれらをまとめ、ボンベの巡回が終了した時点でそれらの相互比較結果を全参加者にお知らせします。

過去の巡回比較の結果を Annex 2に示します。

Inter-Comparison
図1. メタン参照ガス巡回比較