伊豆大島火山の監視と観測
伊豆大島火山の監視
伊豆大島火山は東京火山監視・警報センターにおいて24時間体制で常時監視しています。また、毎月機動観測を行い、詳細な活動状況を把握しています。
これらの結果に基づき、伊豆大島火山では全国の他の活火山と同様に、居住地域や火口周辺に影響が及ぶような噴火の発生が予想された場合は、噴火警報を発表します。また、噴火警報を解除する場合や、火山活動の静穏な状態が続くことをお知らせする場合には、噴火予報を発表します(火山の監視|気象庁)。
気象庁 火山監視・警報センター
伊豆大島火山の観測
気象庁では、伊豆大島火山を監視するため、震動観測、地殻変動観測、遠望観測、機動観測等を行っています。
・伊豆大島の観測点配置図
・各種の火山観測(常時観測・機動観測)
震動観測
地震計を設置して、火山及びその周辺で起こる地震(火山性地震)や火山性微動を観測しています。火山及びその周辺では地下のマグマの量が変化したり、移動したりすることで、地殻の変形などにより震動が発生します。震動観測は、その震動の性質、発生場所、起こり方など、火山活動との関係を調査することで、現在の火山活動状況や地下の状況を把握し、活動の監視を行うことを目的としています。気象庁では、伊豆大島に地震計を5ヶ所設置しています。
総合観測点
(地震計、空振計、傾斜計)
地震計
地殻変動観測
火山の地殻の傾斜変化や地形変化を、傾斜計や光波距離計、GNSS、体積ひずみ計などにより観測することです。火山は地下のマグマの活動によって、地盤の隆起や沈降といったことが生じやすく、これに伴って生ずる地盤の傾斜変動または地形変化を観測することで、火山活動の動向を知ることができます。
伊豆大島火山ではGNSSによってマグマの蓄積に伴う島全体の長期的な膨張が捉えられています。また、短期的にはおおよそ地震が多発する時期に島全体の膨張が観測されています。気象庁では、伊豆大島に傾斜計を3ヶ所、GNSSを3ヶ所、光波距離計を1ヶ所、体積ひずみ計を1ヶ所設置して連続観測を行っています。
GNSS観測点
ひずみ計
(センサーは地中291mに埋設)
遠望観測
火山を定まった地点から遠望し、噴煙の高さ、色、噴出物(火山灰、噴石など)、火映などの発光現象等を観測することです。伊豆大島では、外輪山の北西と三原山にある監視カメラを使って、東京火山監視・警報センターで24時間監視を行っています。また、伊豆大島火山防災連絡事務所でもその映像を分岐し、監視を行っています。
現在の監視カメラの映像はこちらです。
北西外輪監視カメラ
火口監視カメラ
機動観測
地表現象を主とする各種の火山現象について、現地付近で行う観測のことで、定期観測と臨時観測があります。
伊豆大島火山防災連絡事務所では、定期的に三原山で機動観測(噴気観測、目視観測、熱観測、地殻変動観測)を行っています。その結果は、毎月の火山活動解説資料の中で報告されます。臨時観測は、遠望観測や震動観測で異常が確認された場合、必要に応じて現地にて観測を行います。また、発見者通報による異常の事実確認のため、現地にて観測を行う場合もあります。
機動観測(熱観測)
機動観測(地殻変動観測)
中央火口の様子
(可視画像)
中央火口の様子
(赤外熱画像)