三原山に登る観光客のみなさまへ

現在の伊豆大島の火山活動状況を確認しましょう

 伊豆大島の火山活動状況と噴火警戒レベルなどは、気象庁ホームページで公表しています。三原山に登る前には確認しましょう。
 火山登山者向けの情報提供ページ(伊豆大島の活動状況)


三原山へ登る準備をしましょう

 三原山山頂遊歩道には足場の悪いところがあります。登山靴やハイキングシューズを履くようにしましょう。
 突発的な噴火に備えて、ヘルメットなどが身を守るために有効です。できれば準備しておくとよいでしょう。三原山山頂口にはヘルメットの無料貸し出しがあります。

登山道1


登山道2

三原山山頂遊歩道の様子

登山道3



火山現象から身を守る方法を知っておきましょう

噴火が発生していないときから「噴火が発生したらどのような現象が起こるのか」「そのような現象が起こったときにはどうすれば良いのか」 を考えておくことが、噴火に遭遇したときに身を守ることに繋がります。
火山災害の種類|気象庁


  • 溶岩流

 マグマが火口から噴出して高温(800~1200℃)の液体のまま地表を流れ下るものです。 三原山の山腹に見える黒い筋は1986年の噴火のときの溶岩流が冷えて固まった跡です。 流下速度は地形や溶岩の温度・組成によりますが、比較的ゆっくり流れるので人の足による避難が可能です。

1986年噴火 溶岩流

1986年噴火 溶岩流

現在の三原山

現在の三原山
(2023年9月18日)


  • 噴石

 噴火によって岩石等が火口から吹き飛ばされて落下してくる現象です。 こぶし大の噴石は火口から1km以上も飛ぶことがあります。大きな噴石は風の影響を受けずに火口から四方に飛散して短時間に落下し、建物の屋根を打ち破るほどの破壊力を持っています。 爆発的な噴火が発生したら、退避壕や岩陰に避難しましょう。近くに退避できる場所がないときは、ヘルメットやリュックなどで頭を守ってください。

噴石

三原山の噴石
(1987年噴火のもの)

大きな噴石

浅間山の大きな噴石
(2005年8月)


  • 火山灰

 物が燃えてできた灰とは異なり、溶岩の細かな粒子から出来ていて、ガラスのように硬く尖っています。 吸い込むと咳が出たり、のどを痛めたりします。また目に入ると痛みを伴います。 吸い込まないようにマスクや濡らしたタオルで口を覆ってください。目に入ったときにはこすらないようにしてください。

  • 火山ガス

 マグマの中には人体に有毒な硫化水素や二酸化硫黄などの火山ガスが含まれることがあります。 一般的に無色透明ですが、刺激臭や硫黄臭によって気づくことができます。 火山ガスは水に吸収されやすい性質があります。危険を感じたら濡れたタオルなどで鼻と口を覆い、風通しの良いところへ避難してください。 また火山ガスは空気よりも重いため、窪地などには入らないようにしてください。

桜島の降灰

桜島の降灰
(2009年9月)

三宅島の火山ガスを大量に含む噴煙

三宅島の火山ガスを大量に含む噴煙
(2002年1月)


突発的な噴火に備えて

 大島町では突発的な噴火に備えるために、災害用ヘルメットの無料貸し出しを行っています。 ヘルメットは富士箱根伊豆国立公園展望避難休憩舎に設置されていて、誰でも自由に利用することができます。
 また三原山山頂遊歩道沿いには、噴火時の噴石や火山灰等から一時的に身を守るための退避壕が設置されています。 山頂にある展望台も一時的な避難に利用できます。もし山頂火口などで突発的な噴火が発生した場合には、退避壕などに避難し、状況により、下図に示す経路を参考に火口から離れてください。緊急時にはこの経路図によらずに臨機応変に行動することも、 身を守ることに繋がります。

展望避難休憩舎

展望避難休憩舎

災害用ヘルメット

災害用ヘルメット

火口展望台

火口展望台

退避壕

退避壕


避難経路と所要時間

① 山頂火口からの退避
 山頂火口から火山灰を噴出するような噴火の発生、またはそのような噴火の発生が予想される場合。

山頂火口からの避難

避難経路図

② カルデラ内からの退避
 山頂火口外へ噴石が飛散するような噴火の発生、または、そのような噴火の発生が予想される場合。

カルデラ内からの避難

避難経路図


  • 参考文献

「火山-その監視と防災-」気象庁
「伊豆大島火山避難計画」伊豆大島火山防災協議会
「火山に強くなる本」山と渓谷社
「伊豆大島火山防災マニュアル」伊豆大島四者懇談会実務者会議
 記録に残る火山活動