火山名 岩手山 火山の状況に関する解説情報 第11号 令和6年10月11日16時00分 仙台管区気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続> 西岩手山の想定火口から概ね2kmの範囲では大きな噴石に警戒してくだ さい。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 10日に岩手山山頂付近で実施した気象庁機動調査班(JMA-MOT) による現地調査では、これまでの観測と比較して地熱等の状況に特段の変化 は認められませんでした。 岩手山周辺の傾斜計やひずみ計、GNSS連続観測では、2024年2月 頃から山体の深いところの膨張を示す地殻変動が観測されています。 一方、国土地理院によると、9月26日に観測された「だいち2号」のS AR干渉解析結果では、大地獄谷周辺に、衛星に近づく変動が見られていま す。この変動は、大地獄谷付近のごく浅いところの膨張を示していると考え られます。 また、黒倉山付近で発生している微小な火山性地震は、増減を繰り返しな がら引き続き観測されています。 西岩手山(大地獄谷・黒倉山から姥倉山)の想定火口から概ね2kmの範 囲に影響を及ぼす噴火が発生する可能性がありますので警戒してください。 2.防災上の警戒事項等 西岩手山の想定火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて 飛散する大きな噴石に警戒してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。 また、噴火時には火口の風下側では火山灰や小さな噴石が遠方まで風に流 されて降るおそれがあるため注意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、18日(金)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。