火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第16号
令和5年6月29日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区から新岳の南西
にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 本日(29日)気象庁機動調査班(JMA-MOT)が実施した現地調査
では、新岳及び古岳の地熱域は雲のため確認できませんでした。また、火山
ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は約10トンと少ない状態でした
。
 
 火山性地震は昨日(28日)は18回、本日は15時までに7回発生して
います。火山性地震は山体の浅いところで発生しており、震源は主に古岳付
近で、新岳火口付近でも時折発生しています。
 
 GNSS連続観測では、特段の変化は認められていません。
 
 口永良部島では火山活動が高まっていますので、新岳火口から概ね2km
の範囲、及び向江浜地区から新岳の南西にかけての火口から海岸までの範囲
に影響を及ぼす噴火が発生する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区から新岳の南西
にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、30日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。