火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第100号
令和2年10月16日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 10月12日から16日15時までの新燃岳の活動状況をお知らせします
。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新燃岳では、火口直下を震源とする火山性地震は、概ね少ない状態で経過
しています。15日には振幅が小さく継続時間の短い火山性微動が1回観測
されました。新燃岳で火山性微動を観測したのは、3月2日以来です。
 
 13日に海上自衛隊第1航空群の協力により実施した上空からの観測では
、新燃岳火口内の状況に特段の変化は認められませんでした。また、火口西
側斜面の割れ目において白色の噴気を確認しました。
 
 新燃岳火口では、白色の噴煙が最高で火口縁上100mまで上がりました
。
 
 火山性地震の回数は2019年11月以降増減を繰り返しています。また
、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が2020年4月に増加し、その後も同
程度の放出量が維持されています。火口西側斜面の割れ目において噴気や地
熱域が認められています。これらのことから、火山活動がわずかに高まった
状態となっています。今後の火山情報に注意してください。
 
 火口直下を震源とする火山性地震の回数は以下のとおりです。なお、回数
は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
            火山性地震
 10月12日        2回
    13日       10回
    14日        5回
    15日       14回
    16日15時まで   5回

2.防災上の警戒事項等
 弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね2kmまで、火砕
流が概ね1kmまで達する可能性があります。そのため、新燃岳火口から概
ね2kmの範囲では警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、19日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。