火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第22号
平成30年3月2日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 新燃岳では、活発な噴火活動が継続しています。
 新燃岳火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する
大きな噴石、及び新燃岳火口から概ね2kmの範囲では火砕流に警戒してく
ださい。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新燃岳では、昨日(1日)11時頃にごく小規模な噴火を確認し、本日(
2日)15時現在も噴火が継続しており、灰白色の噴煙が最高で火口縁上3
00mまで達しました。

 新燃岳では、引き続き、浅い場所を震源とする低周波地震が発生していま
す。また、火山性微動も昨日から継続して発生しています。
 
 本日、鹿児島県の協力により実施した上空からの観測では、火口内東側で
2017年10月11日に噴火が発生した火孔から、灰白色の噴煙が火口縁
上200mまで上がっているのを確認しました。また、火口内の複数の窪地
に水たまりを確認しました。新燃岳の南東方向の広い範囲で降灰を確認しま
した。
 新燃岳の西側斜面の割れ目付近と割れ目下方の噴気の状況や熱異常域の状
態に、特段の変化は認められませんでした。

 本日、福岡管区気象台が実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)
の放出量は1日あたり2200トンと昨日(5500トン)に比べ減少しま
したが、引き続き多い状態です。

 GNSS連続観測では、2017年7月頃から霧島山を挟む基線の伸びが
継続しています。このことから、霧島山の深い場所でマグマの蓄積が続いて
いると考えられます。
 
 3月1日からの火山性地震、火山性微動の回数は以下のとおりです。なお
、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。

                  火山性地震    火山性微動
  3月1日             183回       継続
    2日15時まで         72回       継続

2.防災上の警戒事項等
 弾道を描いて飛散する大きな噴石が火口から概ね3kmまで、火砕流が概
ね2kmまで達する可能性があります。そのため、火口から概ね3kmの範
囲では警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が風に流されて降る
おそれがあるため注意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振による窓ガラスの破損や降雨時の土石流にも
注意してください。
 地元自治体等が発表する火山ガスの情報にも留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、3日(土)16時頃に発表の予定で
す。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。