火山名  霧島山(新燃岳)  火山の状況に関する解説情報  第57号
平成23年4月11日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況
(4月8日から4月11日15時)
 霧島山(新燃岳)では、9日01時06分頃ごく小規模な噴火が発生しま
した。天候不良のため、噴煙は確認できませんでしたが、聞き取り調査によ
ると、降灰は主に新燃岳火口から東北東方向に分布し、宮崎県新富町付近(
新燃岳火口から60km付近)まで達していました。
 高千穂河原と湯之野観測点の傾斜計では、5日18時頃から続いていた、
新燃岳側のわずかな隆起の変化は、9日01時06分頃の噴火に伴い沈降に
転じ、隆起変化以前の状態に戻りました。その後、10日09時頃から新燃
岳側のわずかな隆起の変化が認められます。
 
 火山性地震は、6日から多い状態が続いていましたが、10日以降減少し
ています。火山性微動は期間を通して時々発生しました。 

 4月8日からの火山性地震と爆発的噴火の回数(速報値)は以下のとおり
です。

              火山性地震     爆発的噴火
4月  8日        141回        0回
4月  9日        164回        0回
4月 10日         15回        0回
4月 11日15時まで    15回        0回     
 

2.防災上の警戒事項等
 新燃岳火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する
大きな噴石と火砕流に警戒が必要です。
 風下側では降灰及び遠方でも風に流されて降る小さな噴石(火山れき)に
注意が必要です。これまでの噴火では、風に流されて直径4cm程度の小さ
な噴石(火山れき)が新燃岳火口から10kmを超えて降りました。
 また、爆発的噴火に伴う大きな空振に注意が必要です。噴火警報等及び霧
島山上空の風情報に注意してください。
 降雨時には泥流や土石流に警戒が必要です。降雨に関する情報に注意して
ください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、4月15日(金)16時頃に発表の
予定です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>