利用の手引き


火山

 気象庁では、「概ね過去1万年以内に噴火した火山」もしくは「現在噴気活動が活発な火山」を活火山と定義しており、日本国内には111の活火山があります。
 このうち気象庁では、平成21年2月の火山噴火予知連絡会において今後100年程度以内に噴火の発生等が予想され監視・観測体制の充実等が必要とされた47火山について、平成21~23年にかけて、観測施設の整備・強化を進めました。さらに、2014(平成26)年11月、火山噴火予知連絡会のもとに設置された「火山観測体制等に関する検討会」においてとりまとめられた3火山を追加し、平成28年4月現在、気象庁本庁(東京)及び札幌・仙台・福岡の各管区気象台に設置された火山監視・警報センターにおいて、関係機関の協力も得ながら、これら50火山について、地震計、監視カメラ、地形の変化を観測する傾斜計及びGNSS観測装置などにより、24時間体制で常時観測を行っています。これに加えて火山機動観測を実施しています。火山機動観測には、基礎調査観測と緊急観測があります。基礎調査観測は、火山の平常時の状態を把握するために行い、緊急観測は、噴火など異常な現象が発生したとき、緊急に当該火山の状態を把握するために行うものです。
 本月報には、これらのうち、常時観測火山について、火山観測成果を抜粋して、震動観測については火山性地震・微動回数表を、地殻変動観測は傾斜観測値等を、遠望観測については噴煙量・高度等を掲載しています。

1 震動観測

 震動観測は、火山性地震と火山性微動を観測するものです。
 火山性地震は火山およびその付近で発生する地震で、地下のマグマの活動等によって発生します。地面の連続的な震動は、火山性地震と区別して火山性微動といいます。これらの観測結果を「火山性地震回数」「火山性微動回数」等にまとめて表で掲載しています。

2 地殻変動観測

 地殻変動観測は、火山地域に発生する地殻の傾斜変動や地形変化等を観測するものであり、主として傾斜観測とGNSS観測を行っています。また、レーザー光線を用いて火山体の目標物との距離を測り、山体の膨張を数mmの精度で計測しています。これらの観測結果をまとめて表で掲載しています。

3 遠望観測

 遠望観測は、定まった地点から火山を遠望し、噴煙の高さや量、噴出物(火山灰、噴石など)、火柱、音響などを観測するものです。遠望観測装置(監視カメラ)により連続的に噴煙の高さ、量、流向等の観測を行っており、これらの観測結果をまとめて表で掲載しています。

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