利島[としま] Toshima(利島)
北緯 34°31′13″ 東経 139°16′45″ 標高 508m (宮塚山)(三角点・利島) |
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![]() 利島全景 北西側上空から 2002年10月30日 気象庁撮影 |
概要
利島は、伊豆大島の南南西約25kmに位置する、直径約2.5kmの火山島で、海面下の部分を含めると直径約5km、比高約600mの規模である。 主に玄武岩質のアア溶岩の積み重なりからなる成層火山で、溶岩の重なりやそれを切る岩脈が海食崖によく露出している。 利島の噴火開始年代はわかっていない。最新期の活動は、宮塚山の北に位置する「カジアナ」火口から流れ出し、 北北西に流下した「カジアナ」火口溶岩流と、「カジアナ」火口の東、海抜390m付近の「ミアナ」火口から北東に流下した「ミアナ」火口溶岩流の噴火である。 構成岩石のSiO2量は49.4~55.1 wt.% である。
噴火活動史
各火山について、地質学的な研究によってわかっている過去1万年の火山活動史を記載した。また、過去1万年間の噴火活動と有史以降の火山活動とに分けて記載した。
- 過去1万年間の噴火活動
カジアナ火口から噴出した溶岩に覆われる泥流堆積物から約8000年前の年代が、溶岩の上位に位置する縄文時代遺跡から約4000年の年代が得られていることから、溶岩は4000~8000年前の間に噴出したと考えられる。
噴火イベントの年代、噴火場所、噴火様式等については、(国研)産業技術総合研究所の活火山データベース(工藤・星住, 2006)を参考。
- 利島 有史以降の火山活動
「概要」、「過去1万年間の噴火活動」、「有史以降の火山活動」については日本活火山総覧(第4版)(気象庁編、2013)及び最近の観測成果による。
なお、噴出物量については、降下火砕物、火砕流、火砕サージ、溶岩流、溶岩ドーム等を加えた重量(単位は「ton」)またはマグマ噴出量(DRE km3)で記載している。また、噴出物量が既知である場合については、産業技術総合研究所作成の活火山データベースから参照し、VEI(火山爆発指数)も付している。詳しくはこちらを参照のこと。