青ヶ島[あおがしま] Aogashima【常時観測火山】
北緯 32°27′30″ 東経 139°45′33″ 標高 423m (大凸部)(三角点・青ヶ島) |
![]() |
![]() 青ヶ島全景 南東側上空から 2011年11月18日 海上保安庁撮影 |
概要
北北西-南南東3.5km、西南西-東北東2.5kmの火山島。島は海面下の基底15km×8km、海底からの比高1100mの大きな火山の頂上部にあたる。島の北端部にやや古い黒崎火山が残存し、他は主成層火山からなる。主成層火山の頂部は直径1.5~1.7kmの大火口ないし小カルデラ(池の沢火口)があり、その中に中央火口丘の丸山火砕丘がある。黒崎火山・主成層火山とも主に玄武岩で、少量の安山岩を含む。
主成層火山の活動の後期(3000~2000年前頃)、マグマ水蒸気爆発が続き、池の沢火口が形成。1780~1785年の噴火では、爆発的噴火による岩塊・スコリアが降下して池之沢火口内に丸山火砕丘を生成するとともに、池の沢火口内に溶岩が流出(いずれも安山岩)して、天明噴火前にあった大池・小池を埋めた。現在池の沢火口内の丸山西側や火口壁直下のほか、島の北端部近くにも高温の噴気地帯がある。構成岩石のSiO2量は48.6~76.1 wt.% である。
噴火活動史
各火山について、地質学的な研究によってわかっている過去1万年の火山活動史を記載した。また、過去1万年間の噴火活動と有史以降の火山活動とに分けて記載した。
- 過去1万年間の噴火活動
確認されている最近1万年間の活動は主成層火山で発生している。約3600年前に北西山腹で割れ目噴火があった。その後、3000~2400年前の間に、島の南東部にあった火口状の凹地を埋める溶岩流と降下スコリアが噴出(金太ヶ浦溶岩類)、また島の東部および北部に多量のスコリア(休戸郷(やすんどごう)降下堆積物)が降下する噴火も発生した。その後岩屑なだれが発生し、最終的に池の沢火口が形成された。
池の沢火口内では、18世紀の噴火で降下スコリアと溶岩流が噴出し、丸山火砕丘が形成された。噴火イベントの年代、噴火場所、噴火様式等については、(国研)産業技術総合研究所の活火山データベース(工藤・星住, 2006)を参考。
- 青ヶ島 有史以降の火山活動
「概要」、「過去1万年間の噴火活動」、「有史以降の火山活動」については日本活火山総覧(第4版)(気象庁編、2013)及び最近の観測成果による。
なお、噴出物量については、降下火砕物、火砕流、火砕サージ、溶岩流、溶岩ドーム等を加えた重量(単位は「ton」)またはマグマ噴出量(DRE km3)で記載している。また、噴出物量が既知である場合については、産業技術総合研究所作成の活火山データベースから参照し、VEI(火山爆発指数)も付している。詳しくはこちらを参照のこと。
火山観測
気象庁では、地震計、傾斜計、空振計、GNSS、監視カメラを設置し、 関係機関の協力の下、青ヶ島の火山活動の監視・観測を行っています。
噴火警報・予報、火山の状況に関する解説情報
- 青ヶ島の噴火警戒レベル(PDF)
火山活動解説資料
- 青ヶ島の火山活動解説資料
気象庁が実施した火山観測データの解析結果や、火山活動の診断結果を掲載します。毎月1回、上旬に公表します。