鳴子[なるこ] Naruko
北緯38°43′44″ 東経140°44′04″ 標高470m (尾ヶ岳)(三角点・尾ケ岳) |
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![]() 鳴子全景 東側から 2001年12月 気象庁撮影 |
概要
宮城県北西部に位置し、直径約7kmの不鮮明な輪郭をもつカルデラとその中央部の溶岩ドーム群からなる。 デイサイトの4つの溶岩ドームが一群をなし、それらに囲まれた酸性の火口湖・潟沼(直径400m)の内外やその西側の溶岩ドーム(海抜396m)の壁では噴気活動が盛んである。 構成岩石のSiO2 量は68.3~72.9wt.%である。
溶岩ドームには直径100~400m程度の火口地形が多数認められ、後カルデラ期には溶岩ドーム群の形成とそれを一部破壊するような爆発的な活動が発生していたと考えられる。 溶岩ドームや湖成層はテフラ群に覆われ、そのうち比較的分布域が広い潟沼-上原テフラ(約1.8万年前)が潟沼形成に関わったと考えられている。
噴火活動史
各火山について、地質学的な研究によってわかっている過去1万年の火山活動史を記載した。また、過去1万年間の噴火活動と有史以降の火山活動とに分けて記載した。
- 過去1万年間の噴火活動
鳴子火山のうち、潟沼西部の溶岩ドームは溶岩直下の砂礫層中の樹幹の年代測定により、約11800年前頃から開始したと推定される。また、山麓部では腐植土中に鳴子火山起源の火山灰が分布しており、その噴出年代は下位の腐植土中の年代分析値から、約5400年前以降と推定される。溶岩ドーム形成後の地熱活動により、2000~3000年前に水蒸気噴火が発生している。
噴火イベントの年代、噴火場所、噴火様式等については、(国研)産業技術総合研究所の活火山データベース(工藤・星住, 2006)を参考。
- 鳴子 有史以降の火山活動(▲は噴火年を示す)
年代 現象 活動経過・被害状況等 ▲837(承和4)年 水蒸気噴火 5月23日。噴火場所は潟沼周辺。
「概要」、「過去1万年間の噴火活動」、「有史以降の火山活動」については日本活火山総覧(第4版)(気象庁編、2013)及び最近の観測成果による。
なお、噴出物量については、降下火砕物、火砕流、火砕サージ、溶岩流、溶岩ドーム等を加えた重量(単位は「ton」)またはマグマ噴出量(DRE km3)で記載している。また、噴出物量が既知である場合については、産業技術総合研究所作成の活火山データベースから参照し、VEI(火山爆発指数)も付している。詳しくはこちらを参照のこと。
噴火警報・予報、火山の状況に関する解説情報
火山活動解説資料
- 鳴子の火山活動解説資料
気象庁が実施した火山観測データの解析結果や、火山活動の診断結果を掲載します。毎月1回、上旬に公表します。