秋田焼山[あきたやけやま] Akita-Yakeyama【常時観測火山】
北緯39°57′50″ 東経140°45′25″ 標高1,366m (焼山)(三角点) |
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![]() 湯沼及び空沼周辺 南東側上空から 2006年11月1日 気象庁撮影 |
概要
直径約7㎞、比高約700m、緩傾斜(15°以下)の山体からなる小型の成層火山。 主山体は主に安山岩から成る。 頂部に直径600mの山頂火口(外輪山)があり、焼山山頂はその南西縁に位置する。 中央火口丘鬼ヶ城と火口南東縁のドームの2個のデイサイトの溶岩ドームがある。 側火山の栂森(つがもり)が主山体東側にあり、東に溶岩を流出している。 主山体南側にも側火山である黒石森がある。 構成岩石のSiO2量は56.9~70.8 wt.% である。
焼山山頂付近は変質が著しく、山頂火口や山麓に多くの温泉がある。 西麓の玉川温泉は強酸性で、北投石(鉛を含む重晶石:特別天然記念物)の沈澱が有名。 また、火山ガスによる登山者の事故も起きている。 有史以降の噴火は鬼ヶ城や北面の爆裂火口、空沼からの泥流流出などがある。
噴火活動史
各火山について、地質学的な研究によってわかっている過去1万年の火山活動史を記載した。また、過去1万年間の噴火活動と有史以降の火山活動とに分けて記載した。
- 過去1万年間の噴火活動
山頂部で約2500年前に栂森西溶岩ドームが形成された。その後山頂部を中心として水蒸気噴火が、少なくとも3回(14~15、15~17、17世紀以降)発生している。これ以外に堆積物としては保存されていない、ごく小規模な水蒸気噴火が歴史時代において何回も発生していると思われるが、詳細は不明である。
噴火イベントの年代、噴火場所、噴火様式等については、(国研)産業技術総合研究所の活火山データベース(工藤・星住, 2006)を参考。
- 秋田焼山 有史以降の火山活動
「概要」、「過去1万年間の噴火活動」、「有史以降の火山活動」については日本活火山総覧(第4版)(気象庁編、2013)及び最近の観測成果による。
なお、噴出物量については、降下火砕物、火砕流、火砕サージ、溶岩流、溶岩ドーム等を加えた重量(単位は「ton」)またはマグマ噴出量(DRE km3)で記載している。また、噴出物量が既知である場合については、産業技術総合研究所作成の活火山データベースから参照し、VEI(火山爆発指数)も付している。詳しくはこちらを参照のこと。
火山観測
気象庁では、地震計、傾斜計、空振計、GNSS、監視カメラを設置し、関係機関の協力の下、秋田焼山の火山活動の監視・観測を行っています。
噴火警報・予報、火山の状況に関する解説情報
- 秋田焼山の噴火警戒レベル(PDF)
火山活動解説資料
- 秋田焼山の火山活動解説資料
気象庁が実施した火山観測データの解析結果や、火山活動の診断結果を掲載します。毎月1回、上旬に公表します。