ニセコ Niseko
北緯42°53′07″ 東経140°38′26″ 標高1,116m (イワオヌプリ)(標高点・独自に計測) 北緯42°52′30″ 東経140°39′32″ 標高1,308m (ニセコアンヌプリ)(三角点・似古安岳) |
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![]() 手前からイワオヌプリ、ニセコアンヌプリ、羊蹄山 北西側上空から |
概要
北海道南西部に位置し、東西25km、南北15kmに分布するニセコ火山群は、侵食が進んでいる雷電火山、ワイスホルン火山、目国内岳(めくんないだけ)火山、岩内岳(いわないだけ)火山と火山地形を保存している白樺火山、シャクナゲ岳火山、ニセコアンヌプリ火山、チセヌプリ火山、ニトヌプリ火山、イワオヌプリ火山からなる。ニセコの活動は約200万年前に開始し、安山岩質(SiO2量は53.0~62.2 wt.%)の溶岩流や溶岩ドームを主体とするが、山麓には火砕流堆積物や岩屑なだれ堆積物が認められる。最新の火山活動は、イワオヌプリ火山で、溶岩流、溶岩ドーム、火砕流堆積物と降下火砕堆積物からなる。
噴火活動史
各火山について、地質学的な研究によってわかっている過去1万年の火山活動史を記載した。また、過去1万年間の噴火活動と有史以降の火山活動とに分けて記載した。
- 過去1万年間の噴火活動
チセヌプリ、ニトヌプリ、イワオヌプリ火山は新鮮な火山地形を保つことから、完新世火山である可能性が指摘されている。しかし、チセヌプリ、ニトヌプリからは、放射年代値などは得られていない。イワオヌプリ火山が最新の火山活動で形成され、江戸時代後半や20世紀初頭には山頂部で噴気活動があったことが記録されている。 イワオヌプリ火山起源の降下火砕堆積物直下の土壌から約7000年前の噴火年代が得られているが、測定試料の炭素含有量が低いことから真の年代値より新しく出ている可能性がある。
- ニセコ 有史以降の火山活動
記録に残る火山活動はない。
「概要」、「過去1万年間の噴火活動」、「有史以降の火山活動」については日本活火山総覧(第4版) (気象庁編、2013)及び最近の観測成果による。
なお、噴出物量については、降下火砕物、火砕流、火砕サージ、溶岩流、溶岩ドーム等を加えた重量 (単位は「ton」)またはマグマ噴出量(DRE km3)で記載している。また、噴出物量が 既知である場合については、(国研)産業技術総合研究所作成の活火山データベースから参照し、VEI(火山爆発指数) も付している。詳しくはこちらを参照のこと。
噴火警報・予報、火山の状況に関する解説情報
火山活動解説資料
- ニセコの火山活動解説資料
気象庁が実施した火山観測データの解析結果や、火山活動の診断結果を掲載します。毎月1回、上旬に公表します。