利尻山(りしりざん) Rishirizan
北緯45°10′43″ 東経141°14′31″ 標高1,721m (利尻山)(標高点) |
|
利尻山全景 南南東側のオタドマリ沼から 2011 年 10 月 19 日 気象庁撮影 |
概要
利尻山は、北海道北部の稚内西方30kmの日本海上に位置する。18km×16kmの利尻島の大部分を構成し、噴出物は海面下80mまで達する。利尻山は20万年前頃に活動を開始し、噴出物の性質、噴出率を変化させながら、約4万年前までに主要な火山体を形成させた(初期、最盛期活動)。その後、複数の火口から活動し、総噴出物量の1割程度の少量の噴出物を放出したが、北海道北部まで火山灰を降下させる主要な活動は、約8000年前以降は発生していない。構成岩石のSiO2量は49.1~72.8 wt.% である。
噴火活動史
各火山について、地質学的な研究によってわかっている過去1万年の火山活動史を記載した。また、過去1万年間の噴火活動と有史以降の火山活動とに分けて記載した。
- 過去1万年間の噴火活動
利尻山の最後の噴火は、玄武岩質マグマからなるマールの形成および小規模なスコリア丘群の形成とそれに伴う溶岩流の流出であり、南山麓で起こった。このうち最新のマールは数千年前(4000年前頃の可能性)に、小規模なスコリア丘群は土壌の厚さなどから、2000~8000年前以前に形成されたと推定されている。現在では、噴気活動を含め一切の火山活動を示す兆候は認められていない。
- 利尻山 有史以降の火山活動
記録に残る火山活動はない。
「概要」、「過去1万年間の噴火活動」、「有史以降の火山活動」については日本活火山総覧(第4版) (気象庁編、2013)及び最近の観測成果による。
なお、噴出物量については、降下火砕物、火砕流、火砕サージ、溶岩流、溶岩ドーム等を加えた重量 (単位は「ton」)またはマグマ噴出量(DRE km3)で記載している。また、噴出物量が 既知である場合については、(国研)産業技術総合研究所作成の活火山データベースから参照し、VEI(火山爆発指数) も付している。詳しくはこちらを参照のこと。
噴火警報・予報、火山の状況に関する解説情報
火山活動解説資料
- 利尻山の火山活動解説資料
気象庁が実施した火山観測データの解析結果や、火山活動の診断結果を掲載します。毎月1回、上旬に公表します。