恵山(えさん) Esan【常時観測火山】
北緯41°48′17″ 東経141°09′58″ 標高618m (恵山)(三角点) |
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![]() 恵山全景 東側上空から 2009 年 3 月 13 日 気象庁撮影 |
概要
恵山火山の活動は約4~5万年前に始まり、約1万年前までに海向山(かいこうざん)や外輪山、椴山(とどやま)、スカイ沢山などの溶岩ドーム形成とそれに伴う火砕流が発生した。 その後、火砕流を伴う恵山ドームの形成があり、恵山溶岩ドーム形成後には小規模噴火活動も発生している。恵山溶岩ドーム西麓の爆裂火口では噴気活動が続いている。 この爆裂火口や恵山溶岩ドーム周辺には硫黄鉱床がある。水蒸気噴火・泥流を生じやすい。構成岩石のSiO2量は54.3~62.7 wt.% である。
噴火活動史
各火山について、地質学的な研究によってわかっている過去1万年の火山活動史を記載した。また、過去1万年間の噴火活動と有史以降の火山活動とに分けて記載した。
- 過去1万年間の噴火活動
約8000年前の元村噴火で大規模な火砕流が発生して山麓に台地が作られるとともに、恵山溶岩ドームが形成された。 この後、5000年前、3000年前、2500年前、600年前にも火山活動が起こり、約3000年の噴火以外で火砕流や火砕サージが 発生した。約2500年前の活動では恵山ドームの山体崩壊により岩屑なだれが発生した。最近では、1846年と1874年に水 蒸気噴火が起こった。このうち1846年の噴火では、発生した泥流によって多数の死者が出た。
噴火イベントの年代、噴火場所、噴火様式等については、(国研)産業技術総合研究所の 活火山データベース(工藤・星住, 2006)を参考。
- 恵山 有史以降の火山活動
「概要」、「過去1万年間の噴火活動」、「有史以降の火山活動」については日本活火山総覧(第4版) (気象庁編、2013)及び最近の観測成果による。
なお、噴出物量については、降下火砕物、火砕流、火砕サージ、溶岩流、溶岩ドーム等を加えた重量 (単位は「ton」)またはマグマ噴出量(DRE km3)で記載している。また、噴出物量が 既知である場合については、産業技術総合研究所作成の活火山データベースから参照し、VEI(火山爆発指数) も付している。詳しくはこちらを参照のこと。
火山観測
気象庁では、地震計、傾斜計、空振計、GNSS、監視カメラを設置し、関係機関協力の下、 恵山の火山活動の監視・観測を行っています。
噴火警報・予報、火山の状況に関する解説情報
- 恵山の噴火警戒レベル(PDF)
火山活動解説資料
- 恵山の火山活動解説資料
気象庁が実施した火山観測データの解析結果や、火山活動の診断結果を掲載します。毎月1回、上旬に公表します。