摩周(ましゅう) Mashu
北緯43°34′20″ 東経144°33′39″ 標高857m (カムイヌプリ)(標高点) |
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![]() 摩周全景 西側の摩周第三展望台から 2012 年 10 月 16 日 気象庁撮影 |
概要
摩周火山は、屈斜路カルデラ(東西径26km、南北径20km)の東壁上で、遅くとも約3.4万年前から成層火山として成長していたが、約7000年前の大規模な噴火によりカルデラ(摩周カルデラ、東西5.5km、南北7.5km)を生じた。摩周カルデラ内には摩周湖があり、湖の中央にはデイサイト質の溶岩ドーム(カムイシュ島)、カルデラ南東壁上には安山岩~デイサイト質の小成層火山であるカムイヌプリ(摩周岳)がある。構成岩石のSiO2量は52.4~73.0 wt.% である。
噴火活動史
各火山について、地質学的な研究によってわかっている過去1万年の火山活動史を記載した。また、過去1万年間の噴火活動と有史以降の火山活動とに分けて記載した。
- 過去1万年間の噴火活動
約7000年前に大規模な噴火(降下火山灰、降下軽石、火砕流の噴出)が起こり、現在、摩周湖となっている摩周カルデラを形成した。その後、約2000年前までに軽石や火山灰を噴出する活動が少なくとも7回あり、カルデラ南東壁上に新しくカムイヌプリを生成したほか、カルデラ中央には溶岩ドームであるカムイシュ島を生成した。カムイヌプリでは、約1000年前にも大きなプリニー式噴火が起こり、山頂に直径1kmの火口を形成した。現在、噴気活動は認められない。
- 摩周 有史以降の火山活動
「概要」、「過去1万年間の噴火活動」、「有史以降の火山活動」については日本活火山総覧(第4版) (気象庁編、2013)及び最近の観測成果による。
なお、噴出物量については、降下火砕物、火砕流、火砕サージ、溶岩流、溶岩ドーム等を加えた重量 (単位は「ton」)またはマグマ噴出量(DRE km3)で記載している。また、噴出物量が 既知である場合については、(国研)産業技術総合研究所作成の活火山データベースから参照し、VEI(火山爆発指数) も付している。詳しくはこちらを参照のこと。
噴火警報・予報、火山の状況に関する解説情報
火山活動解説資料
- 摩周の火山活動解説資料
気象庁が実施した火山観測データの解析結果や、火山活動の診断結果を掲載します。毎月1回、上旬に公表します。