羅臼岳(らうすだけ) Rausudake
北緯44°04′33″ 東経145°07′20″ 標高1,661m (羅臼岳)(測定点) |
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![]() 羅臼岳全景 北西側上空から 2003 年 6 月 6 日 気象庁撮影 |
概要
北海道東部の知床半島中部にある火山で、基盤の新第三紀の流紋岩・安山岩が標高800mまで露出。10万年前以降に活動し、火山の基底直径は約5km、大部分が輝石安山岩の溶岩や火砕岩からなる成層火山(SiO2量は57.2~65.8 wt.%)で、山頂部には溶岩ドームがある。他に同様な火山が知床半島中軸に沿い北東に3山連なり、更にその北東に知床硫黄山がある。山麓に温泉湧出。
噴火活動史
各火山について、地質学的な研究によってわかっている過去1万年の火山活動史を記載した。また、過去1万年間の噴火活動と有史以降の火山活動とに分けて記載した。
- 過去1万年間の噴火活動
最近2300年間では、2200~2300年前、1400~1600年前、500~700年前の3時期に火山活動が活発であった。2200~2300年前には、比較的規模の大きな噴火が発生し、降下テフラや火砕流が噴出した。1400~1600年前の活動では、プリニー式噴火による降下テフラと火砕流が、500~700年前の活動でも降下テフラや火砕流が噴出した。また、山頂付近に存在する溶岩流や溶岩ドームには新鮮な地形が残っており、これらの3時期のそれぞれ、あるいはいずれかの活動で形成された可能性が高い。2300年以前の噴火史は未だ明らかにされていない。現在、噴気活動は認められない。
- 羅臼岳 有史以降の火山活動
「概要」、「過去1万年間の噴火活動」、「有史以降の火山活動」については日本活火山総覧(第4版) (気象庁編、2013)及び最近の観測成果による。
なお、噴出物量については、降下火砕物、火砕流、火砕サージ、溶岩流、溶岩ドーム等を加えた重量 (単位は「ton」)またはマグマ噴出量(DRE km3)で記載している。また、噴出物量が 既知である場合については、(国研)産業技術総合研究所作成の活火山データベースから参照し、VEI(火山爆発指数) も付している。詳しくはこちらを参照のこと。
噴火警報・予報、火山の状況に関する解説情報
火山活動解説資料
- 羅臼岳の火山活動解説資料
気象庁が実施した火山観測データの解析結果や、火山活動の診断結果を掲載します。毎月1回、上旬に公表します。
火山防災協議会など
- 火山防災マップ等
火山災害危険箇所マップ (斜里町ホームページ)