火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第101号
令和7年11月3日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 10月27日から11月3日15時までの新燃岳の活動状況をお知らせし
ます。新燃岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散
する大きな噴石などに警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新燃岳火口では、9月8日以降噴火は観測されていません。
 
 監視カメラによる観測では、新燃岳火口の噴煙は最高で火口縁上700m
まで上がりました。新燃岳西側斜面の割れ目の噴気は最高で100mまで上
がりました。
 
 新燃岳火口直下を震源とする火山性地震は、やや多い状態で経過していま
す。火山性微動は観測されていません。
 
 GNSS連続観測では、霧島山を挟む一部の基線で、2025年3月頃か
ら霧島山深部の膨張を示すと考えられるわずかな伸びが認められていました
が、7月上旬頃からは停滞しています。
 
 新燃岳では火山活動が高まった状態が継続しており、引き続き噴火が発生
する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね2kmまで、火砕
流が概ね1kmまで達する可能性があります。そのため、新燃岳火口から概
ね2kmの範囲では警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、10日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。