火山名 諏訪之瀬島 火山の状況に関する解説情報 第42号
令和7年10月6日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 9月29日から10月6日15時までの諏訪之瀬島の活動状況をお知らせ
します。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 御岳(おたけ)火口では、噴火活動が続いています。期間中に爆発は2回
発生しました。噴火に伴う噴煙は、最高で火口縁上1800m以上に上がり
ました。弾道を描いて飛散する大きな噴石は観測されませんでした。
 夜間に高感度の監視カメラで火映を観測しました。

 十島村役場諏訪之瀬島出張所によると、集落(御岳火口から南南西約3.
5km)で期間中降灰が確認されました。

 御岳火口付近の浅いところを震源とする火山性地震は少ない状態で推移し
ています。主に島の西側で発生している火山性地震は、3日に増加しました
が、4日以降減少しています。期間中、島内の震度観測点(鹿児島十島村諏
訪之瀬島)で震度2や震度1を時々観測しました。中長期的には、2024
年10月頃から増加傾向が認められます。火山性微動は、1日23時頃から
継続して発生しています。

 GNSS連続観測では、2024年10月以降、島の西側やや深部におけ
るマグマの蓄積量の増加を示唆するわずかな変動が認められています。また
、ナベタオ観測点(御岳火口から南西約2.2km)の傾斜計では、6月下
旬からマグマだまりがあると推測される方向が隆起する変動がみられていま
す。
 
 諏訪之瀬島では長期にわたり噴火活動が継続しており、御岳火口周辺では
、噴火に伴い大きな噴石が弾道を描いて飛散する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 御岳火口中心から概ね1.5kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛
散する大きな噴石に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、13日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。