火山名 諏訪之瀬島 火山の状況に関する解説情報 第41号
令和7年9月29日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 9月22日から29日15時までの諏訪之瀬島の活動状況をお知らせしま
す。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 御岳(おたけ)火口では、噴火活動が続いています。噴火に伴う噴煙の高
さの最高は、火口縁上1600m以上でした。弾道を描いて飛散する大きな
噴石は観測されませんでした。期間中、爆発は発生していません。
 夜間に高感度の監視カメラで火映を観測しました。

 十島村役場諏訪之瀬島出張所によると、集落(御岳火口から南南西約3.
5km)で27日にごく少量の降灰が確認されました。

 御岳火口付近の浅いところを震源とする火山性地震は少ない状態で推移し
ています。主に島の西側で発生している火山性地震は、17日20時頃から
増加し多い状態で経過しましたが、22日頃から減少しています。期間中、
島内の震度観測点(鹿児島十島村諏訪之瀬島)で28日21時35分に震度
3を観測しました。震度2や震度1は時々観測しました。中長期的には、2
024年10月頃から増加傾向が認められます。火山性微動は時々発生しま
した。

 GNSS連続観測では、2024年10月以降、島の西側やや深部におけ
るマグマの蓄積量の増加を示唆するわずかな変動が認められています。また
、ナベタオ観測点(御岳火口から南西約2.2km)の傾斜計では、6月下
旬からマグマだまりがあると推測される方向が隆起する変動がみられていま
す。
 
 諏訪之瀬島では長期にわたり噴火活動が継続しており、御岳火口周辺では
、噴火に伴い大きな噴石が弾道を描いて飛散する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 御岳火口中心から概ね1.5kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛
散する大きな噴石に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、10月6日(月)16時頃に発表の
予定です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。