火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第92号 令和7年9月26日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 9月22日から26日15時までの新燃岳の活動状況をお知らせします。 新燃岳火口から概ね3kmの範囲では、大きな噴石などに警戒してください 。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 新燃岳では、今期間噴火は観測されていません。 監視カメラによる観測では、新燃岳火口内の噴煙は、最高で火口縁上40 0mまで上がりました。新燃岳西側斜面の割れ目では、高さ20m程度の噴 気を観測しました。 24日及び25日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放 出量は両日とも1日あたり300トン(前回12日、300トン)と、やや 少ない状態でした。 新燃岳火口直下を震源とする火山性地震は、2024年10月下旬から増 減を繰り返しており、期間中は多い状態で経過しています。火山性微動は9 月4日以降観測されていません。 新燃岳周辺の傾斜計では、新燃岳の地下の膨張を示すような特段の変化は 認められません。 GNSS連続観測では、霧島山を挟む一部の基線で、2025年3月頃か ら霧島山深部の膨張を示すと考えられるわずかな伸びが認められていました が、7月上旬頃からは停滞しています。 新燃岳では、6月下旬以降断続的な噴火活動がみられるなど火山活動は活 発な状態であることから、引き続き、新燃岳火口から概ね3kmの範囲では 、大きな噴石などに警戒してください。 2.防災上の警戒事項等 弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね3kmまで、火砕 流が概ね2kmまで達する可能性があります。そのため、新燃岳火口から概 ね3kmの範囲では警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。 2011年と同様に爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなど のおそれがあるため注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。 次の火山の状況に関する解説情報は、29日(月)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。