火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第60号
令和7年9月12日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 9月5日から12日15時までの口永良部島の活動状況をお知らせします
。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 本村西監視カメラによる観測では、古岳火口では火口縁を越える噴煙は観
測されませんでした。新岳火口では白色の噴煙が最高で火口縁上200mま
で上がりました。
 
 口永良部島では、4月から古岳火口付近の山体の浅いところで地震活動が
活発化し、火山性地震が多い状態でしたが、7月頃から減少しています。
 
 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、1日あたり100トンを下回り、少
ない状態で経過しています。
 
 GNSS連続観測では、2023年6月下旬頃から同年10月頃にかけて
古岳付近の膨張を示す変動が観測されていますが、その後更なる膨張を示す
変化は認められていません。
 
 7日から9日にかけて山麓及び山上で実施した現地調査では、新岳及び古
岳の噴煙の状況に特段の変化は認められませんでした。また、新岳及び古岳
の火口内や周辺の地熱域についても、前回(2025年2月及び3月)の観
測と比較して、特段の変化は認められませんでした。
 
 なお、火山性地震は7月頃から減少した状態ですが、中長期的には地震活
動は活発な状態です。引き続き、新岳火口及び古岳火口の周辺に影響を及ぼ
す程度の噴火が発生する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口及び古岳火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描い
て飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、西側は新岳火
口から概ね2kmの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、19日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。