火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第59号 令和7年9月5日11時10分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続> 口永良部島では、火山活動に低下が認められますが、引き続き新岳火口及 び古岳火口の周辺に影響を及ぼす程度の噴火が発生する可能性があります。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 口永良部島では、4月から古岳火口付近の山体の浅いところで地震活動が 活発化し、火山性地震が多い状態でしたが、7月頃から減少しています。 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、1日あたり100トンを下回り、少 ない状態で経過しています。 GNSS連続観測では、2023年6月下旬頃から同年10月頃にかけて 古岳付近の膨張を示す変動が観測されていますが、その後更なる膨張を示す 変化は認められていません。 火山活動に低下が認められることから、口永良部島では、新岳火口及び古 岳火口から1kmを超え、また西側は新岳火口から2kmを超えて影響を及 ぼす噴火が発生する可能性は低くなったと判断し、本日(5日)11時00 分に噴火警戒レベルを3(入山規制)から2(火口周辺規制)に引き下げま した。 なお、火山性地震は7月頃から減少した状態ですが、中長期的には地震活 動は活発な状態です。火山活動は引き続き高まった状態で経過しており、新 岳火口及び古岳火口の周辺に影響を及ぼす程度の噴火が発生する可能性があ ります。 2.防災上の警戒事項等 新岳火口及び古岳火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描い て飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、西側は新岳火 口から概ね2kmの範囲では、火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。 次の火山の状況に関する解説情報は、12日(金)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。