火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第75号 令和7年8月8日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 8月4日から8日15時までの新燃岳の活動状況をお知らせします。新燃 岳火口から概ね3kmの範囲では、大きな噴石などに警戒してください。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 新燃岳火口では、6月27日から8月4日にかけて断続的に噴火が観測さ れました。 5日に韓国岳山頂から実施した現地調査では、新燃岳火口内の南東側から 北側にかけて、複数の箇所から白色の噴煙が火口縁上100mまで上がり、 北東側に流れていることを確認しました。また、火口内北側からの噴煙の量 が前回観測(6月28日)と比較して減少していることを確認しました。 6日に山麓で実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は 1日あたり500トン(前回7月28日600トン)とやや多い状態でした 。 新燃岳火口直下を震源とする火山性地震は、2024年10月下旬から増 減を繰り返しており、期間中は非常に多い状態で経過しています。火山性微 動は6日以降観測されていません。 新燃岳周辺の傾斜計では、新燃岳の地下の膨張を示すような特段の変化は 認められません。 GNSS連続観測では、霧島山を挟む一部の基線で、2025年3月頃か ら霧島山深部の膨張を示すと考えられるわずかな伸びが認められていました が、7月上旬頃からは停滞しています。 新燃岳の火山活動は活発な状態で経過しており、新燃岳火口から概ね3k mの範囲では、大きな噴石などに警戒してください。 2.防災上の警戒事項等 弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね3kmまで、火砕 流が概ね2kmまで達する可能性があります。そのため、新燃岳火口から概 ね3kmの範囲では警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。 2011年と同様に爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなど のおそれがあるため注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。 次の火山の状況に関する解説情報は、11日(月)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。