火山名 岩手山 火山の状況に関する解説情報 第30号 令和7年7月11日16時00分 仙台管区気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続> 7月4日から11日15時までの岩手山の火山活動状況についてお知らせ します。西岩手山の想定火口から概ね2kmの範囲では大きな噴石に警戒し てください。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 黒倉山付近で発生している微小な火山性地震は、6月下旬以降、発生頻度 がやや高まった状態で推移しています。7月4日から5日にかけて岩手山山 頂の南東約6kmを震源とする火山性地震が一時的に増加しましたが、6日 以降は次第に減少しています。 黒倉山山頂の監視カメラによる観測では、大地獄谷の噴気、地熱域及び地 表面温度に大きな変化は認められません。 岩手山周辺の傾斜計やひずみ計、GNSS連続観測で2024年2月頃か ら見られている山体の深いところの膨張を示す地殻変動は、緩やかに継続し ています。 引き続き、西岩手山(大地獄谷・黒倉山から姥倉山)の想定火口から概ね 2kmの範囲に影響を及ぼす噴火が発生する可能性があります。 2.防災上の警戒事項等 西岩手山の想定火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて 飛散する大きな噴石に警戒してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。 また、噴火時には火口の風下側では火山灰や小さな噴石が遠方まで風に流 されて降るおそれがあるため注意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、18日(金)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。