火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第7号
令和7年7月9日17時00分 福岡管区気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 阿蘇山では、火山活動が高まっていることから、中岳第一火口から概ね1
kmの範囲に影響を及ぼす噴火が発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 阿蘇山では、4日11時50分頃から火山性微動の振幅が増大し、中岳西
山腹地震計の南北動成分で1分間平均振幅が2.5マイクロメートル毎秒を
超えました。その後も振幅の大きな状態が継続していましたが、6日08時
30分頃から小さくなり、1.0マイクロメートル毎秒を下回る状態で経過
しています。

 昨日(8日)に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量
は1日あたり400トン(前回(7月7日)200トン)と少ない状態でし
た。

 監視カメラによる観測では、7日以降は白色の噴煙が最高で火口縁上80
0mまで上がりました。

 GNSS連続観測では、深部にマグマだまりがあると考えられている草千
里を挟む基線において、2024年10月頃から縮みの傾向が見られていま
す。

 阿蘇山では、火山活動が高まっていることから、中岳第一火口から概ね1
kmの範囲に影響を及ぼす噴火が発生するおそれがあります。

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。また、火山ガスに注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、11日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。