火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第62号
令和7年7月4日16時20分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 7月3日から4日15時までの新燃岳の活動状況をお知らせします。新燃
岳火口から概ね3kmの範囲では、大きな噴石などに警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新燃岳火口では、噴火活動が続いています。
 
 6月27日から観測している噴火は、本日(4日)15時現在も継続して
います。2日以降、微動の振幅増大を伴う噴煙量の一時的な増大が時々みら
れており、昨日(3日)13時49分には、噴煙が火口縁上5000mまで
上がり、南へ流れました。
 
 昨日実施した現地調査では、鹿児島県霧島市牧園町の一部で、道路の白線
が見えなくなるほどの多量の降灰を確認しました。また、13時49分頃に
は、現地調査中の職員が、小林市で非常に大きく聞こえる程度の鳴動を観測
しました。
 また、本日実施した聞き取りによる降灰調査では、鹿児島県鹿児島市、霧
島市、湧水町、姶良市、南さつま市、日置市で降灰を確認しました。
 
 新燃岳火口直下を震源とする火山性地震は、2024年10月下旬から増
減を繰り返しています。2日11時43分の噴火以降、火山性微動が継続し
て発生しています。
 
 新燃岳近傍の傾斜計では、噴煙量の増大に伴い、新燃岳付近の収縮を示す
と考えられるわずかな変化が観測されています。
 
 GNSS連続観測では、霧島山を挟む一部の基線で、2025年3月頃か
ら、霧島山深部の膨張を示すと考えられるわずかな伸びが認められます。
 
 新燃岳の火山活動は活発な状態で経過しており、新燃岳火口から概ね3k
mの範囲では、大きな噴石などに警戒してください。

2.防災上の警戒事項等
 弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね3kmまで、火砕
流が概ね2kmまで達する可能性があります。そのため、新燃岳火口から概
ね3kmの範囲では警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 2011年と同様に爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなど
のおそれがあるため注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、7日(月)16時頃に発表の予定で
す。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。