火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第60号 令和7年7月2日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 7月1日から2日15時までの新燃岳の活動状況をお知らせします。新燃 岳火口から概ね3kmの範囲では、大きな噴石などに警戒してください。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 新燃岳火口では、噴火活動が続いています。 6月27日10時25分から監視カメラで観測した噴火は、本日(2日) 15時時点も継続しています。本日11時43分からは噴火に伴う噴煙量が 一時的に増大し、噴煙は最高で火口縁上2800mまで上がりました。新燃 岳周辺の傾斜計では、この噴火に伴い新燃岳付近の収縮を示すようなごくわ ずかな変化が認められました。 昨日(1日)実施した現地調査では、鹿児島県霧島市及び宮崎県えびの市 で降灰を確認しました。霧島市牧園町の一部では、道路の白線が見えなくな るほどの多量の降灰を確認しました。 新燃岳火口直下を震源とする火山性地震は、2024年10月下旬から増 減を繰り返しており、前24時間の地震回数は多い状態で経過しています。 火山性微動も時々発生しています。 GNSS連続観測では、霧島山を挟む一部の基線で、2025年3月頃か ら、霧島山深部の膨張を示すと考えられるわずかな伸びが認められます。 新燃岳の火山活動は活発な状態で経過しており、新燃岳火口から概ね3k mの範囲では、大きな噴石などに警戒してください。 2.防災上の警戒事項等 弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね3kmまで、火砕 流が概ね2kmまで達する可能性があります。そのため、新燃岳火口から概 ね3kmの範囲では警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。 2011年と同様に爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなど のおそれがあるため注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。 次の火山の状況に関する解説情報は、3日(木)16時頃に発表の予定で す。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。