火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第55号
令和7年6月27日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 6月26日15時から27日15時までの新燃岳の活動状況をお知らせし
ます。新燃岳火口から概ね3kmの範囲では、大きな噴石などに警戒してく
ださい。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新燃岳火口では、噴火活動が続いています。
 昨日(26日)、現地調査中の職員が、15時07分に、乳白色の噴煙が
火口縁上1000mまで上がり、南東方向へ流れたことを観測しました。
 昨日の夜から本日(27日)の朝にかけて、宮崎地方気象台(宮崎市霧島
)でごく少量の降灰を確認しました。
 また、本日10時25分から、監視カメラで乳白色の噴煙を観測しました
。噴煙は最高で火口縁上300mまで上がり、15時時点も噴火が継続中で
す。
 
 昨日、山麓で実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は
1日あたり2400トン(前回24日、2100トン)と多い状態でした。
 
 新燃岳火口直下を震源とする火山性地震は、2024年10月下旬から増
減を繰り返しており、前24時間の地震回数は200回を超え多い状態で経
過しています。火山性微動も時々観測されています。
 
 高千穂河原観測点(新燃岳の南東約3km)では、23日から北西上がり
の傾斜変動が観測されていましたが、26日以降は鈍化しています。
 
 GNSS連続観測では、霧島山を挟む一部の基線で、2025年3月頃か
ら、霧島山深部の膨張を示すと考えられるわずかな伸びが認められます。
 
 新燃岳の火山活動は活発な状態で経過しており、新燃岳火口から概ね3k
mの範囲では、大きな噴石などに警戒してください。

2.防災上の警戒事項等
 弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね3kmまで、火砕
流が概ね2kmまで達する可能性があります。そのため、新燃岳火口から概
ね3kmの範囲では警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 2011年と同様に爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなど
のおそれがあるため注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、28日(土)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。