火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第39号 令和7年6月27日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 6月23日から27日15時までの口永良部島の活動状況をお知らせしま す。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 4月上旬から山体の浅いところで地震活動が活発化し、火山性地震の多い 状態が継続しています。火山性地震は主に古岳火口付近で発生しています。 新岳火口付近の火山性地震は少ない状態で経過しています。 火山性微動は観測されていません。 本村西監視カメラによる観測では、古岳火口では火口縁を越える噴煙は観 測されませんでした。新岳火口では白色の噴煙が最高で火口縁上200mま で上がりました。 23日から25日にかけて実施した現地調査では、新岳及び古岳付近の地 熱域の状況に特段の変化は認められませんでした。また、古岳で火口縁をわ ずかに越える噴煙を確認しました。 東京大学大学院理学系研究科、京都大学防災研究所、屋久島町及び気象庁 が実施した観測では、火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は40 トンと少ない状態でした。 GNSS連続観測では、2023年6月下旬頃から10月頃にかけて古岳 付近の膨張を示す変動が観測されており、現在も膨張した状態が維持されて います。 口永良部島では火山活動が高まっていますので、新岳火口及び古岳火口か ら概ね2kmの範囲、及び向江浜地区から新岳の南西にかけての火口から海 岸までの範囲に影響を及ぼす噴火が発生する可能性があります。 2.防災上の警戒事項等 新岳火口及び古岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描い て飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区か ら新岳の南西にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してく ださい。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。 次の火山の状況に関する解説情報は、30日(月)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。