火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第47号 令和7年6月16日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続> 6月13日から16日15時までの新燃岳の活動状況をお知らせします。 新燃岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大 きな噴石及び火砕流に警戒してください。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 新燃岳の火口直下を震源とする火山性地震は2024年10月下旬から増 減を繰り返しており、前10日間の地震回数は多い状態で経過しています。 13日に、振幅の小さな継続時間の短い火山性微動が2回発生しました。新 燃岳で火山性微動が発生したのは、2025年5月14日以来です。なお、 この火山性微動に伴う傾斜変動は認められませんでした。 監視カメラによる観測で新燃岳火口では、火口縁上20mまで上がる噴煙 を観測しました。また、新燃岳西側斜面の割れ目では、高さ10m未満の噴 気を観測しました。 新燃岳近傍の傾斜計では、特段の変化は認められません。 GNSS連続観測では、2024年11月頃から、霧島山を挟む一部の基 線で新燃岳付近の地下の膨張を示すと考えられるわずかな伸びが認められま す。また、2025年3月頃から、霧島山深部の膨張を示すと考えられるわ ずかな伸びが認められます。 新燃岳では、引き続き火山活動が高まった状態で経過しており、弾道を描 いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね2kmまで、火砕流が概ね1 kmまで達する噴火が発生する可能性があります。 2.防災上の警戒事項等 弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね2kmまで、火砕 流が概ね1kmまで達する可能性があります。そのため、新燃岳火口から概 ね2kmの範囲では警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。 次の火山の状況に関する解説情報は、23日(月)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。