火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第33号
令和7年6月11日21時15分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 新岳火口及び古岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描い
て飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区か
ら新岳の南西にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してく
ださい。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 口永良部島では、火山活動の高まりが認められることから、本日(11日
)21時00分に火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを2(火口周辺規
制)から3(入山規制)に引き上げました。
 
 4月上旬から山体の浅いところで地震活動が活発化し、火山性地震の多い
状態が継続しています。火山性地震は主に古岳火口付近で発生し、本日21
時までの10日間で135回発生しています。
 火山性微動は観測されていません。
 
 本村西監視カメラによる本日の観測では、新岳火口では白色の噴煙が最高
で火口縁上70mまで上がりました。古岳火口では、噴煙は観測されません
でした。
 
 また、GNSS連続観測では、2023年6月下旬頃から10月頃にかけ
て古岳付近の膨張を示す変動が観測されており、現在も膨張した状態が維持
されています。
 
 口永良部島では火山活動が高まっていますので、新岳火口及び古岳火口か
ら概ね2kmの範囲、及び向江浜地区から新岳の南西にかけての火口から海
岸までの範囲に影響を及ぼす噴火が発生する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口及び古岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描い
て飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区か
ら新岳の南西にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してく
ださい。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、12日(木)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。