火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第45号 令和7年5月19日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 5月16日から19日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。桜 島では、山体が膨張した状態で経過しています。南岳山頂火口及び昭和火口 から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な火砕流を伴う噴火が発生 するおそれがあります。また、風下側では降灰に注意が必要です。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 桜島では、活発な噴火活動が続いています。 12日20時頃から続いていた山体膨張は、15日の噴火により一部が解 消されたものの、再び膨張に転じています。 南岳山頂火口では、噴火が86回、爆発が44回発生しました。18日1 8時54分に発生した爆発では、噴煙が火口縁上3200mまで上がりまし た。弾道を描いて飛散する大きな噴石は最大で5合目(南岳山頂火口より約 1200m)まで達しました。 昭和火口では、噴火は観測されていません。 火山性地震はやや多い状態で経過しています。主に噴火に伴う火山性微動 が発生しました。 GNSS連続観測では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)を挟む基線で長期 にわたり姶良カルデラの地下深部の膨張を示す緩やかな伸びがみられていま す。 桜島では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部にマグマが長期にわ たり蓄積した状態であり、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量も概ね多い状態 であることから、今後も噴火活動が継続すると考えられます。今後の火山情 報に注意してください。 また、現在みられている山体膨張が一度に解消する噴火が発生すると、桜 島島内を中心に多量の降灰を伴う可能性があります。降灰や小さな噴石の落 下が予想される範囲は、気象庁から発表される降灰予報を活用してください 。 火山性地震、爆発の回数は以下のとおりです。なお、火山性地震の回数は 速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。 火山性地震 爆発 5月16日 50回 10回 17日 22回 5回 18日 68回 19回 19日15時まで 31回 10回 2.防災上の警戒事項等 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を 描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた め注意してください。 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため 注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生 する可能性がありますので留意してください。 次の火山の状況に関する解説情報は、20日(火)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。