火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第37号
令和7年5月16日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 5月12日から16日15時までの新燃岳の活動状況をお知らせします。
新燃岳火口から概ね3kmの範囲内に影響を及ぼす噴火が発生する可能性が
あります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新燃岳の火口直下を震源とする火山性地震は2024年10月下旬頃から
増減を繰り返しており、前10日間の地震回数は多い状態で経過しています
。14日に継続時間の短い火山性微動が発生しました。
 
 監視カメラによる観測では、新燃岳火口内の噴煙は最高で火口縁上100
mまで上がりました。また、新燃岳西側斜面の割れ目では、噴気が最高で1
00mまで上がりました。
 
 昨日(15日)に新湯温泉付近から実施した現地調査では、新燃岳西側斜
面付近のわずかな地熱域の分布は、前回(4月30日)観測と比較して、特
段の変化は認められませんでした。また、火山ガス(二酸化硫黄)は検出さ
れませんでした。
 
 新燃岳周辺の傾斜計では、特段の変化は認められません。
 
 GNSS連続観測では、2024年11月頃から、霧島山を挟む一部の基
線で新燃岳付近の地下の膨張を示すと考えられるわずかな伸びが認められま
す。
 
 新燃岳では地震回数が多い状態で経過しており、GNSS連続観測では地
下の膨張を示すと考えられる変化が認められていることから、引き続き新燃
岳火口から概ね3kmの範囲内に影響を及ぼす噴火が発生する可能性があり
ます。

2.防災上の警戒事項等
 弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね3kmまで、火砕
流が概ね2kmまで達する可能性があります。そのため、新燃岳火口から概
ね3kmの範囲では警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 2011年と同様の爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなど
のおそれがあるため注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、19日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。