火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第32号 令和7年5月2日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 4月30日から5月2日15時までの新燃岳の活動状況をお知らせします 。新燃岳火口から概ね3kmの範囲内に影響を及ぼす噴火が発生する可能性 があります。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 新燃岳の火口直下を震源とする火山性地震は2024年10月下旬頃から 増減を繰り返しており、前10日間の地震回数は非常に多い状態で経過して います。また、5月1日から2日にかけて合計4時間程度の継続時間の長い 火山性微動が発生しました。 監視カメラによる観測では、新燃岳火口内の噴煙は最高で火口縁上20m まで上がりました。新燃岳西側斜面の割れ目では、4月30日午前中、一時 的に噴気が観測され、最高で10mまで上がりました。この領域で噴気が確 認されたのは、2024年12月14日以来です。 4月30日に新湯温泉付近から実施した現地調査では、新燃岳西側斜面の 割れ目付近のわずかな地熱域の分布は、24日に実施した現地調査と比較し て、特段の変化は認められませんでした。 新燃岳周辺の複数の傾斜計では、4月22日から26日にかけて北西上が りの緩やかな傾斜変動が観測されましたが、その後は特段の変化は認められ ません。 GNSS連続観測では、2024年11月頃から、霧島山を挟む一部の基 線で新燃岳付近の地下の膨張を示すと考えられるわずかな伸びが認められま す。 新燃岳では地震回数が非常に多い状態で経過しており、GNSS連続観測 では地下の膨張を示すと考えられる変化が認められていることから、引き続 き新燃岳火口から概ね3kmの範囲内に影響を及ぼす噴火が発生する可能性 があります。 2.防災上の警戒事項等 弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね3kmまで、火砕 流が概ね2kmまで達する可能性があります。そのため、新燃岳火口から概 ね3kmの範囲では警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。 2011年と同様の爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなど のおそれがあるため注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。 次の火山の状況に関する解説情報は、5日(月)16時頃に発表の予定で す。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。