火山名 岩手山 火山の状況に関する解説情報 第16号
令和7年4月18日16時00分 仙台管区気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 4月11日から18日15時までの岩手山の火山活動状況についてお知ら
せします。西岩手山の想定火口から概ね2kmの範囲では大きな噴石に警戒
してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 黒倉山山頂の南南西約5kmに設置されているひずみ計では、4月9日頃
から伸びの変化がみられましたが、15日頃から縮みの変化に転じています
。黒倉山付近で発生している微小な火山性地震は、13日以降やや多く発生
しています。
 黒倉山山頂の監視カメラによる観測では、大地獄谷からの噴気が今期間一
時的に高くなったほか、積雪前と比べて地熱域のわずかな拡大が認められま
したが、17日に岩手県の協力により実施した上空からの観測では、その他
の領域も含め、特段の変化は認められませんでした。
 岩手山周辺の傾斜計やひずみ計、GNSS連続観測では、2024年2月
頃から山体の深いところの膨張を示す地殻変動が観測されています。
 引き続き、西岩手山(大地獄谷・黒倉山から姥倉山)の想定火口から概ね
2kmの範囲に影響を及ぼす噴火が発生する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 西岩手山の想定火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて
飛散する大きな噴石に警戒してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。
 また、噴火時には火口の風下側では火山灰や小さな噴石が遠方まで風に流
されて降るおそれがあるため注意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、25日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。