火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第97号
令和6年12月6日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 口永良部島では、火山性地震が増加しており、火山活動が高まっています
。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 古岳火口付近の浅いところを震源とする火山性地震は、5日以降多い状態
で経過しています。新岳火口付近の浅いところを震源とする火山性地震は、
観測されませんでした。
 
 本村西監視カメラによる観測では、古岳火口で噴煙は観測されませんでし
た。新岳火口では白色の噴煙が最高で火口縁上40mまで上がりました。
 
 東京大学大学院理学系研究科、京都大学防災研究所、屋久島町及び気象庁
が5日と6日に実施した観測では、火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの
放出量は、30トンと少ない状態でした。
 
 GNSS連続観測では、2023年11月以降、山体の膨張を示す変動は
認められません。
 
 口永良部島では、火山活動が高まっていますので、新岳火口及び古岳火口
の周辺に影響を及ぼす程度の噴火が発生する可能性があります。
 
 なお、明日(7日)から9日にかけて、気象庁機動調査班(JMA-MO
T)が現地調査を実施する予定です。調査結果については、改めてお知らせ
します。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口及び古岳火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描い
て飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、西側は新岳火
口から概ね2kmの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、7日(土)16時頃に発表の予定で
す。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。