火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第89号 令和6年10月25日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続> 10月18日から25日15時までの口永良部島の活動状況をお知らせし ます。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 本村西監視カメラによる観測では、古岳火口で噴煙は観測されませんでし た。新岳火口では白色の噴煙が最高で火口縁上200mまで上がりました。 23日に実施した現地調査では、引き続き古岳火口周辺及び新岳火口西側 割れ目付近に地熱域を確認しました。また、古岳火口からは火口縁をわずか に越える白色の噴煙を確認しました。 古岳火口付近の浅いところを震源とする火山性地震は、やや多い状態で経 過しています。新岳火口付近の浅いところを震源とする火山性地震は、少な い状態で経過しています。 東京大学大学院理学系研究科、京都大学防災研究所、屋久島町及び気象庁 が23日に実施した観測では、火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出 量は、40トンと少ない状態でした。 GNSS連続観測では、2023年6月下旬頃から11月頃にかけて古岳 付近の膨張を示す変動が観測されており、現在も膨張した状態が維持されて います。 口永良部島では、火口付近の浅いところでやや活発な地震活動が継続して おり、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量や古岳の地熱活動は2023年6月 からの活動活発化以前の状態より高まった状態で推移しています。新岳火口 及び古岳火口の周辺に影響を及ぼす程度の噴火が発生する可能性があります 。 2.防災上の警戒事項等 新岳火口及び古岳火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描い て飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、西側は新岳火 口から概ね2kmの範囲では、火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。 次の火山の状況に関する解説情報は、11月1日(金)16時頃に発表の 予定です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。