火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第88号
令和6年10月18日11時10分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 口永良部島では、火山活動に低下傾向が認められますが、引き続き新岳火
口及び古岳火口の周辺に影響を及ぼす程度の噴火が発生する可能性がありま
す。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 口永良部島では、古岳火口付近を震源とする火山性地震が4月以降多い状
態で経過していましたが、8月中旬頃から減少しています。新岳火口付近の
火山性地震は、少ない状態で経過しています。
 
 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、1日あたり概ね100トンを下回り
、2023年8月から12月と比較して減少していますが、2023年6月
以前よりは多い状態で経過しています。
 
 GNSS連続観測では、2023年6月下旬頃から11月頃にかけて古岳
付近の膨張を示す変動が観測されており、現在も膨張した状態が維持されて
います。
 
 火山活動に低下傾向が認められることから、口永良部島では新岳火口及び
古岳火口から1kmを超え、また西側は新岳火口から2kmを超えて影響を
及ぼす噴火が発生する可能性は低くなったと判断し、本日(18日)11時
00分に噴火警戒レベルを3(入山規制)から2(火口周辺規制)に引き下
げました。
 
 一方、口永良部島では火口付近の浅いところを震源とする地震が減少して
いるものの、やや活発な地震活動が継続しており、火山ガス(二酸化硫黄)
の放出量や古岳の地熱活動は2023年6月からの活動以前より高まった状
態で推移しています。
 
 これらのことから、引き続き新岳火口及び古岳火口の周辺に影響を及ぼす
程度の噴火が発生するおそれがあります。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口及び古岳火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描い
て飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、西側は新岳火
口から概ね2kmの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、25日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。