火山名 薩摩硫黄島 火山の状況に関する解説情報 第37号 令和6年9月2日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続> 8月26日から9月2日15時までの薩摩硫黄島の活動状況をお知らせし ます。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 硫黄岳火口で、昨日(1日)11時28分に噴火が発生しました。噴煙は 火口縁上1000mまで上がりました。この噴火に伴う大きな噴石の飛散は 観測されませんでした。薩摩硫黄島で噴火が観測されたのは、2020年1 0月6日以来です。その後、噴火は観測されていません。 三島村役場薩摩硫黄島出張所によると、集落で降灰や鳴動は観測されませ んでした。 夜間には高感度カメラで火映を観測しました。 火山性地震は少ない状態で経過しており、噴火の前後で増減はみられてい ません。火山性微動は観測されませんでした。 GNSS連続観測では、島内の一部の基線で2023年10月頃から縮み の変化がみられていましたが、5月頃から停滞しています。同基線では20 15年頃から長期的な縮みの傾向がみられています。 長期的には、夜間に火映が観測され、時折噴煙が高くなるなど、熱活動が 高まった状態が続いていることから、火口周辺に影響を及ぼす程度の噴火が 発生する可能性があります。 2.防災上の警戒事項等 硫黄岳火口中心から概ね0.5kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて 飛散する大きな噴石に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。また、火山ガスにも注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。 次の火山の状況に関する解説情報は、9日(月)16時頃に発表の予定で す。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。