火山名 阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第21号
令和6年5月15日11時25分 福岡管区気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 阿蘇山では、火山性微動の振幅がやや大きくなっています。また、火山ガ
ス(二酸化硫黄)の放出量がやや多い状態となっており、火山活動の高まり
が認められることから、噴火警戒レベルを1(活火山であることに留意)か
ら2(火口周辺規制)に引き上げました。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 阿蘇山では、火山性微動の振幅が本日(15日)06時過ぎから増大しや
や大きい状態となっており、09時過ぎから中岳西山腹観測点南北動成分の
1分間平均振幅で1.5マイクロメートル毎秒を超えて推移しています。
 
 9日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日あ
たり1600トンとやや多い状態となっています。
 
 噴煙の状況や地殻変動の状況に特段の変化はありません。

 火山性微動の振幅がやや大きい状態が継続しており、火山ガス(二酸化硫
黄)の放出量がやや多い状態となっていることから火山活動に高まりが認め
られます。
中岳第一火口から概ね1kmの範囲に影響を及ぼす噴火が発生する可能性が
あります。

2.防災上の警戒事項等
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。また、火山ガスに注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、15日(水)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。